Critters(クリッターズ)


■New York Bound('86)
ニュージャージー出身のソフトロック。ドン・シコーネ(vo)、ジム・ライアン(g)を中心とした5人組。64年にジョン・セバスチャン作のスプーンフルのカヴァー、"Younger Girl"(Kapp)でデビュー。最大のヒットは昼下がりのけだるい感じがある"Mr Dieingly Sad"('67,#17)。
今ではTaragonからもっといいコンピが出てるけど、これは独Big Beatからの再発LP


解散後シコーネは、フランキー・ヴァリフォー・シーズンズへ。ライアンはカーリー・サイモンのバックへ。

Cross,Christopher(クリストファー・クロス)

Christopher Cross

Christopher Cross

a■■■Christopher Cross('79)
b■■Another Page('81)
見かけと声の一致って結構大事な気がします。テキサス出身のクリストファー・クロスは73年頃より同名のバンドを率いて、地道な活動をしてきた人ですが、ルックスは俳優のネッド・ビーティーにも似た短髪の太っちょで、ハイトーンのvoとはかなりのギャップがあります。79年にWarner Brosと契約してリリースされたデビュー作では、ジャケットなどに一切の写真を出さず、フラミンゴのイラストで爽やかな印象を与えたのは戦略でしょう。ですからそのルックスが分かった時には、かなりの驚きでした。そのデビュー作は長年やってきた自前のバンドに加え、ジェイ・グレイドン(g)、ラリー・カールトン(g)、マイケル・マクドナルドニコレット・ラーソン、ヴァレリー・カーター、ドン・ヘンリー(vo)ら当時のLAの一線級の人たちが参加していて、華やかな印象。それでいて人工的な感じよりも、79年の時点で懐かしの(76年頃の)ウエスト・コースト・サウンドをなぞったような音づくりが大いに受けました。80年に見た初来日(前座は佐野元春でした)は、半分以上新曲でしたが、意外とサザンロック的なブギナンバーも多かった記憶です。バカラック作の"Arther's Theme"の大ヒットを経て83年にやっと出たセカンド「Another Page」(WB)では、AOR全盛期にふさわしく、アダルトな音づくりで前作にあったウエスト・コースト臭は一掃され、僕がもうがっかりでしたけど。


Crowfoot(クロウフット)


■Find The Sun('71)
バンド名のクロウフットとはインディアンの酋長の名前。後にドン・ハリソン・バンドに加わるラッセル・ダシール(g,kb,vo)が率いたボウ・ジェントリーというのが前身で、60's半ばにフロリダで結成。dsは後にデイヴ・メイスン・バンドに加わるリック・ジャイガー。70年にクロウフットと改名しABCと契約。この時点でエヴァリー・ブラザーズのバックを務めていたサム・マックー(g,vo)、ダシール(g,vo)、ビル・サットン(b)にジェイガーの4人組でした。
「Crowfoot」('70)に続く、セカンド「Find The Sun」('71)では、dsがドン・フランシスコに代わっており、サットンの名前はクレジットされていますが残りの3人が正式メンバーのようです。
音の方はまあ乾いた感じのハードロックで、とりたてて印象に残るものではありません。それでも一時期のジェームズ・ギャングを思わせる浮遊感たっぷりの"Sailing Girl"と"Sometimes Lovin' You"を聞く価値はあるかと。本作を最後に解散、ブロンドのds、フランシスコはハイウェイ・ロバリーと言うハードロック(と言うよりはヘヴィ・ロック)、カントリー・ロックのパンを経てランディ・マイズナーのセカンド「One More Song」に参加します。一方ダシールは、前述のドン・ハリソン・バンドをCCRのスチュ・クック(ds)、ダグ・クリフォード(b)と結成。AtlanticとMercuryに3枚のLPがあります。