easy#2

Don't Look Back (Reis) (Dig)
■It's Easy / Boston
ボストンは70's後半のアメリカのティーネイジャーには避けては通れなかった存在だろうなあ、と今になって思う。遠く離れた日本でもこの2枚目「Don't Look Back」のリリースを首を長くして待っていた少年がいっぱいいたはず。76年のデビュー作は「幻想飛行」という、シングル"More Than A Feeling"が"宇宙の彼方へ"という邦題が付いたこと、ギター型宇宙船のジャケット、折からのSFブームに乗ってそういうイメージで日本では売られたけど、歌詞の内容などから、小難しい事のないシンプルなロックンロールバンド、覚えやすいメロディーのハードロックバンドだった。ただ黒人音楽からの影響がほとんど見られない、新しい世代のメロディアスなハードロック(それをプログレ・ハードとか、アメリカン・プログレと呼んだ)。リーダーのトム・シュルツの考えに考えた緻密なギター・ロックは、非常に白人的でクリーンなイメージ。猥雑な感じ、ロックンロールの持つ危険な魔力はなく、親子で楽しめるロックコンサート的な明るいイメージがある。それでも30年前このアルバムの8曲に熱狂した僕としては、やはり忘れることが出来ない1枚。キーが高くて歌えないが歌詞はもちろんソラで歌える、"It's Easy"は、前作の"Peace Of Mind"の二番煎じ的なところはあるが爽快だ。

#18-3 cytronさんのあたためセレクト

 1."忘却の歌" GERALDO VESPAR
 2."SUN DOWN" LANI HALL
 3."FRIENDS" BUZZY LINHART
 4."CRYING IN THE SUNSHINE" MARK MOOGY KLINGMAN
 5."COLD MORNING LIGHT" TODD RUNDGREN
 6."OVER" ALPHA
 7."エリントン1941" YVES MONTAND
 8."SUNNY SKIES" BOBBY SCOTT
 9."THE END OF TIME” VIRGINIA ASTRAY
 10."WE'VE ONLY JUST BEGUN" JOHNNY HARTMAN
 11."CLOSE TO YOU" DELLS
 12."窓に明かりがともる時” 赤い鳥

cytronさんも今回初参加の方。ピチカート関連のブログを書かれてる方ですが(ピチカートでセレクトというとP5さんのことを思い出さずにはいられません、乞復帰!)、もちろんピチカートの後ろに控えている有象無象の素晴らしき音楽への目配せももちろん忘れてはいませんね。
ご本人の解説でもわかりますが冒頭のレコード針を落とす音から、ギターが始まる二十数秒の間も意図的なものだったというところがまずすごい。前半は好みの世界で、ウィリス・アラン・ラムジーのジャコウネズミの歌の歌詞を変えた2からこれまたkeiさん狂喜の3(ベット・ミドラーのカヴァーは去年見たハーバート・ロス監督の「シーラ号の謎」の主題歌でした)、鈴木祥子が取り上げた初期ユートピアのムーギーのソロ(レア!)の4、そして御大の5まで一気に聞かせます。6はブリストル出身(サラ・レーベルのことを思い出す)のアルファという二人組によるインストで和みます。後半戦は品のいい大人のクラブ(もちろんアクセントはクね)でかかってそうなヴォーカルもので7,8,10,11とどれも有名曲のカヴァーというのがミソですね。このあたりは全く門外漢ですが、meikanさんのテイストに似てるのでは?とも思います。9はヴァージニア・アストレイのこれまたヒーリング効果たっぷりのナンバー。ラストの12は赤い鳥だそうで、これまた有名なわりに僕はなかなか耳にすることがなかっただけに新鮮でした。11は"Close To You"ですよね。近々CD化らしいです。
ベストは4、10、12ですね。
余談ながら解説でguitaristをギターリストと書かれてるcytronさんのこだわりに共鳴。僕もブルーズは譲れないですから(^^)