easy#2
■It's Easy / Boston
ボストンは70's後半のアメリカのティーネイジャーには避けては通れなかった存在だろうなあ、と今になって思う。遠く離れた日本でもこの2枚目「Don't Look Back」のリリースを首を長くして待っていた少年がいっぱいいたはず。76年のデビュー作は「幻想飛行」という、シングル"More Than A Feeling"が"宇宙の彼方へ"という邦題が付いたこと、ギター型宇宙船のジャケット、折からのSFブームに乗ってそういうイメージで日本では売られたけど、歌詞の内容などから、小難しい事のないシンプルなロックンロールバンド、覚えやすいメロディーのハードロックバンドだった。ただ黒人音楽からの影響がほとんど見られない、新しい世代のメロディアスなハードロック(それをプログレ・ハードとか、アメリカン・プログレと呼んだ)。リーダーのトム・シュルツの考えに考えた緻密なギター・ロックは、非常に白人的でクリーンなイメージ。猥雑な感じ、ロックンロールの持つ危険な魔力はなく、親子で楽しめるロックコンサート的な明るいイメージがある。それでも30年前このアルバムの8曲に熱狂した僕としては、やはり忘れることが出来ない1枚。キーが高くて歌えないが歌詞はもちろんソラで歌える、"It's Easy"は、前作の"Peace Of Mind"の二番煎じ的なところはあるが爽快だ。