#3 Pre Eagles Randy 篇

童顔ながらグループの最年長、Randy Meisnerは、46年(ちなみにGFが48年で、あとは皆47年)Neblaska生まれ。Soul Survivers、Poor(これらの音源は最近発掘された)を経て、68年にPoco(当時はPogo)の結成に立ち会う事になった。

Buffalo SpringfieldのRichie Furay(g,vo)とJim Messina(g,vo)が、Boenzy CreekのGeorge Grantham(ds,vo)、Rusty Young(steel,vo)、そしてMeisner(b,vo)を加えた形で レコーディングがスタート、結局は完成目前で、RMは抜けた為、ジャケットには写っていない。この Poco のデビュー作「Pickin' Up The Pieces」('68)は、初期Poco特有の、元気のよさに満ちている。躍動感あふれる演奏は、逆に一本調子でもあるが、なんせ68年という時代を考えると、カントリー・ロックのプロトタイプの様な1枚だ。

Pickin Up the Pieces

Pickin Up the Pieces

Rustyの弾くpedal steelは、いわゆるカントリー的な使い方とは違い、ステージでは、ノイジーで、サイケデリックな味わいをも見せるが、少なくともこの時点ではそんなそぶりは見せない。個人的にはタイトル曲のシャキシャキした感じ(Missinaの弾く小気味いい、テレキャスター)に尽きるが、Rusty作のインスト”Grand Junction”(Colorado在住のネット仲間に寄れば、恐竜の化石も出た事がある渓谷だそう)も素晴らしい。

Meisnerは、この後Rick Nelsonに引き抜かれ、Poorのメンバーを集めたStone Canyon Bandとして
2枚のLPに参加している。

イン・コンサート

イン・コンサート

Rick Nelsonは、60's初めには、俳優、アイドル、そしてカントリーシンガーとして人気を博していた人だが、60's後半に、Dylanに傾倒し、その時代の流れに沿った音楽を、とカントリーロック路線を進めたのが、このStone Canyon Bandで、「In Concert」というライヴ盤でデビュー。
メンバーは、Meisner(b,vo)、Tom Brumley(steel)、Pat Shanahan(ds)、Allen Kemp(g,vo)に、Nelson(g,vo)。KempとShanahanは、MeisnerがPoco以前にいたPoorのメンバーだった事もあって、
コンビネーションは悪くなく、そのライヴ盤でもMeisnerのハイトーンのコーラスが聞ける。

70年には、「Rick Sings Nelson」を出すが、これには未参加で、Tom Cetera(兄はChicagoの
Peter)が参加。次の「Rudy The Fifth」('71)では、Meisnerは復帰、忘れられがちだが、初期Pocoを思わせる元気いい演奏は、このアルバムをカントリーロックの佳作たらしめている。
特にBrumleyのsteelは、Stonesのカヴァーの、”Honky Tonk Women”あたりでも鋭い。ここでもまた、”Just Like A Woman”、”Love Minus Zero”のDylan曲をとりあげてるのがおもしろい。

この後再びMeisnerは脱退、バンドはメンバーを変えながら「Garden Party」、「Winfall」をリリースしているが、カントリーロックのブームが去り、バンドも失速。思うように成功を収められなくなって77年に解散している。思えばジョニー・リヴァース、ディオン、ジョニー・ダレルなど60's前半以前に一世風靡したヴェテランが、カントリーロックのブームと共にこの種の音楽に手を染めるが、ビジネスとして以上にまだこの頃は音楽に対するリスペクトと愛情があった気がする。