#6 with Linda Ronstadt

レコード・コレクターズ」誌'94.12号のEagles特集、伊藤秀世氏の詳細なリサーチ記事は、大いに役に立ってるが、それによると、Linda Ronstadtのバックを、Eaglesが務めたというのは、正確ではなく4人が同じ時期にステージに立ったのは、ごく短い時期だったという。

Arizona州Tuscon出身の、Linda Ronstadtは、Stone Ponysのメンバーとして、”Different Drum”(Monkeesからカントリーロックに転向したMichael Nesmith作)のヒットを飛ばしていたが、ソロになってカントリーから、よりビートの利いた音楽を模索中の時期だった。

Shiloh解散後のHenleyが、Mike & Richard Bowdenと、Amosレーベルの同僚、Freyを誘って、Ronstadtのバックバンドに加わったのが、71年の夏で、この時期のライヴが、Asylumに移って成功を収めた後に、Capitolから出たコンピ「A Retrospective」('77)に何曲か収められている。

このコンピはCD化されていないが、最近Capitol音源を網羅したアンソロジーが出ており、未確認ながら、Eaglesのメンバーが加わったライヴもある模様。

Best of the Capitol Years

Best of the Capitol Years

しばらくして、RichardがLeadonに、MikeがMeisner(当初はコーラス要員だったのかも)に交代後、72年には、「Linda Ronstadt」が出るが、これには4人が一緒に演奏した曲がひとつもないという有様。
Linda Ronstadt

Linda Ronstadt

よってEaglesが、Ronstadtのバックバンドから独立、と言う表現は、正確にはちょっと違い
これもまた、事実関係の改ざんが行われた「伝説」だったのだろう。
そのスタジオ録音盤は「リンダ・ロンシュッタットwithオリジナル・イーグルス」なる邦題で、日本盤が出てた事もあったが、個人的にはピリッとしない演奏と歌が続く。一部では、カントリーロックの名盤と騒がれているが、思えばRonstadtを本当に好きになったのは、「Heart Like A Wheel」あたりからで(リアルタイムではないが)、それ以前のこれや、「Don't Cry Now」でのJohn Boylan(彼の存在も、Eagles結成に大きくかかわったようだ)のprodのせいか、好みではない。
Don't Cry Now

Don't Cry Now

Heart Like a Wheel

Heart Like a Wheel