[アルバムレヴュー]A Song For Me / Family

エア・メール・レコーディングスから紙ジャケでどっと再発されたファミリーの、これは70年の3枚目(ちなみに英国盤CDはプラケースでうれしい)。元々ハードロックともプログレともいえない独自の音楽性を持っていたバンドで、メンバーチェンジの煩雑さが、よりバンドの輪郭をぼやけさせる。
このアルバムは今回が初聞きだったけど、こんなにフォーキーな1枚だとは思いもしなかった。あとロジャー・チャップマンのアクの強いvoを、気に入るかどうかで、賛否両論分かれそうだ。
メンバーはチャップマン(vo)、チャーリー・ホイットニー(g,banjo,org)、ロブ・タウンゼンド(ds、harp)、ジョン・ワイダー(g,violin,dobro)、ポリ・パーマー(vb、p、fl)。今回気が付いたけどbassのクレジットがない。メンバーが複数の楽器をこなす器用さも、おもしろい。
フォーキーと書いたが、ストレートにフォーキーなものはなく、あくまでも隠し味的にアコギが使われている(それでも”Some Poor Soul”はフォーキーなプログレみたいだが)。”The Cat & The Rat”はvibeが入ってジャジーなムードだったが、後半はパブロック的になるし、fluteがノイジーに入る”Drowned In Wine”、疾走するロックンロール”Love Is A Sleeper”が素晴らしい。

初めてチャップマンの歌声を聞いたのは、ストリートウォーカーズの1枚目で、これは結局手放した。その次が「ベスト・オブ・ファミリー」というオリジナルのベスト。
これも英国盤だったが放出。その後「バンドスタンド」をレンタルで、米盤ながら、デビュー作の「ミュージック・イン・ア・ドール・ハウス」(prodはデイヴ・メイスンだった)、「ファミリー・エンターテイメント」を買った。年末に3枚買ったので、
7枚中5枚はそろった事になる。ファミリー再評価のいい機会だ。


A Song for Me