Werewolves Of London / Warren Zevon ('78)

Finyl2005-01-30

モンスターつながりで。
狼男(=Werewolf)は、記録として最も古いものとしては旧約聖書ダニエル書で、ネブカドネザル王が自らを狼であると想像して、苦しむ話があるが、月を見ると狼に変身する怪物、とされている。
これまた、ユニヴァーサルが30年代に「倫敦の人狼」を作って、ドラキュラ、フランケンシュタインに続くモンスター・キャラクターで売り出そうとした。有名なのはロン・チェイニー・Jr(父ロン・チェイニーはサイレント時代の伝説的な怪奇映画俳優)。

ウォーレン・ジヴォンのこの曲(#21)にも「ロン・チェイニー・Jrが女王と一緒に通りを歩いてるのを見た」と言う歌詞が出てくる。割と単調な曲だが、当時一番レコードを売ったバンドのリズム隊(ミック・フリートウッドとジョン・マクヴィー)が重い。ざらついたスライドは、ワディ・ワクテル。
アサイラムからジャクソン・ブラウンのprodで再デビューしたのが76年。「さすらい」と言う邦題の付いたそのアルバムは、名曲満載で、リンダ・ロンシュタットに多く取り上げられた。
それに続くのが、この「エキサイタブル・ボーイ」で”Roland the Headless Thompson Gunner ”、”Lawyers, Guns and Money”といった代表曲が並んだもの。アサイラムの同時代のsswがどちらかというと軟弱なイメージで語られる事が多かったが、ジヴォンは、ハードボイルドな歌詞、暴力賛美から、ロック界のサム・ペキンパーと呼ばれたこともあった。
タイトル曲は、ジェニファー・ウォ−ンズとリンダ・ロンシュタットのコーラスが入った軽快な曲。リック・マロッタ、ラス・カンケル、ジェフ・ポーカロ(ds)、リー・スクラー、ケニー・エドワーズ、ボブ・グローブ(b)、ホルヘ・カルデロン、ダニー・コーチマー(g)らが参加した、あの頃のLAの音だ。
Excitable Boy