35■■■アイデン&ティティ('03日本)

アイデン&ティティ 24歳/27歳 (角川文庫)
監督:田口トモロヲ
主演:峯田和伸麻生久美子中村獅童大森南朋、マギー
みうらじゅんの同名コミックの映画化で、脚本は宮藤官九郎が、監督は俳優の田口トモロヲが初演出となった。昨日のケラ以上に、僕のみうら歴も長いのだ。これはバンドブームに飲み込まれたアマチュアバンドの話。みうら自身「大島渚」というバンドでイカ天に出たことがあるので(冒頭、スイマーズ、マサコさん、News、人間椅子のメンバーのコメントがある)、ある種自伝的な作品かもしれないが、誇張されてはいるが、「オレのロックは〜」という主張は少々ウザイ。一貫してそういう主人公を描いた作品も書いてるけど、みうら自身がどこまでシャレでやってるのかはわかりかねる時がある。画期的なのは、ボブ・ディラン(劇中に出てくるディランはみうらが演じてるが、ラストワルツのコスチュームとヘアスタイル)の楽曲が正式に許可を得てエンディングに流されていること(あの”ライク・ア・ローリング・ストーン”の入る絶妙なタイミング!)。これはみうらのイラストのディランのコンピ(日本盤オリジナル)が何度も許可が出ず、結局は相当難産をしてリリースされたこととも関係深いだろう。主演の峯田と言う人は知らないが、中村ははまり役。「彼女」(役名はない)の麻生は相変わらずの存在感だが、これは男にとって永遠に出会うことのない女神だろう。他には岸部四郎三上寛(焼き鳥屋の親父)、村上淳、野村祐人、大杉漣、小林麻子、浅野忠信西本はるか(一瞬相原勇かと思った)。