Love Song Love Song / Roger Nichols Trio

Small Circle of Friends
love songつながり。
わが国のソフトロックの大ブームの引き金となったのは、87年のポニー・キャニオンから出た、ロジャー・ニコルス&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズのCDだろう。ピチカートの小西氏がライナーを書き、マニアックな音楽ファン向け(作家主義の)と思われたこの種の音楽だが、渋谷系と呼ばれる洋楽好きな邦楽ファンにウケ、90年代の初めから、「ソフトロック」と呼ばれる、いささか正体がつかみづらい音楽(いまだに、レターメンとエディソン・ライトハウスをソフロと呼びたくないなあ)のブームとなった。
そのロジャー・ニコルスの初回CDは、オリジナルフォーマットだったが、何度か再発されるうちにボーナストラックとして、オリジナルLP未収録のシングル曲が加えられるようになった。現在Rev−Olaから出てるのは20曲入り。
このLove Song Love Songは、ロジャー・ニコルス・トリオと名乗っていた67年の2枚目のシングルで、LP未収録。ニコルス、マリー&メリンダ・マクリード兄妹による編成は変わらず、ニック・デカロのarr。コーラスとブラスが文字通り戦うナンバーで、なぜLPに漏れたのかは謎だ。
この年の暮れにニコルスのLPはA&Mからリリース。当時は全く売れなかった1枚で、ニコルスがポール・ウイリアムスと組んで作家活動に専念してゆくのは70年代に入ってから。そしてカーペンターズ、サンドパイパーズ、スティーヴ・ローレンスらに取り上げられてゆくが、ここでもssw、ウイリアムスはそこそこ注目されたが、ニコルスに関しては、先のCD化まで待たなければならなかったのだ。
もちろん他の曲も素晴らしい。スプーンフル、ビートルズのカヴァーもさることながら、渡辺満里奈もひそかにカヴァーした、”Don’t Take Your Time”は本当に、本当に素晴らしい。