Swallow / 鈴木祥子


〜鳥シリーズ
最近はすっかりごぶさたの鈴木祥子だけど、エピックからワーナーに移ってからの数年は数少ないライヴに熱心に通った覚え。ネット界隈では熱烈なファンが多く(いささか「すぎる」人も多くトラブルになったりした)、こと初期のスタイルへの憧憬をあからさまにつづったカキコがファンサイトでも多かった(5年位前の話)記憶。初期というのは、「ガールポップ」というなんだかよくわからないジャンルが「アイドルポップス」冬の時代に、代用品として存在してた頃。
89年に出た2枚目「水の冠」から、長らくライヴで歌い継がれてきたナンバーがSwallow。歌詞は麻生圭子だけど、何度読んでもわかりにくい部分があるのは確か。傷ついて帰ってきた故郷の街は何も変わらなくて、あの頃と同じように風が吹いていた、というくだりは秀逸。そして 時は誰にでも平等に流れ、春の訪れと共に、巣だつツバメに自ら(もしくは彼)をなぞり、再びめぐり来る季節への想いがつづられる。
アコギで参加した山幻の佐橋佳幸(g)とは以後もコラボレーション(コラボなんて略す最近の風潮はいったいなんだ!)が続く。「アコースティック派」と呼ばれてたらしい、この頃の鈴木祥子の路線は、小泉今日子に書いた”優しい雨”が入った「ラジオジェニック」あたりまで続くが、そのあとに待ってたのは、おそらくエイミー・マンあたりを手本としたロックスタイルだったのだ。