'05秋のセレクト#3

曲目紹介の続き



11・I Am The River / Buzz Clifford('69)
この曲を聞く限りソフトサイケなイメージだが、それは69年という時代でしょうか? ダニエル・ムーアのいたムーン周辺の人で、ムーアもprodとして参加。それ以前には"Baby,Sittin' Boogie"('61,#6)のヒットを飛ばしたシンガーだったわけですが、ヴェテランシンガーが、時代のトレンドだったスワンプに乗った1枚なのかもしれません。いわゆるLAスワンプの系譜ですが、思ったより線は細いです。「See Your Way Clear」(Dot)から。
http://www.geocities.jp/hideki_wtnb/buzz-c.html


12・She Dances Through / Melton,Levy & The Day Bros ('72)
Melton Levy & The Dey Brothers
カントリー・ジョー&ザ・フィッシュのg、バリー・メルトンがジェイ・レヴィ、リックとトニーのデイ兄弟と組んだ、カントリー・ロックがMLDBです。印象的なジャケばかり語られることが多いですが、シスコらしいおおらかさもあります。72年のCBSからのリリース。prodは、マイク・ブルームフィールドというのも意外です。CDは英Arcadiaからです。


13・Mama / Mary McGregor ('77)
PP&Mのピーター・ヤロウのprodでデビューした、メアリー・マクレガーはデビューヒット"Torn Between Two Lovers"(過ぎし日の思い出)が#1ヒットとなって、女性シンガーブームにも乗り、日本でも大いに注目されましたが、彼女も多くのリンダ・ロンシュタット・フォロワーの1人で終わっています。77年のデビュー盤「Mary McGregor」(MCA)からのこの曲は、Asylumレーベルの黒人ssw、スティーヴ・ファーガソン(ウェンディ・ウォルドマン周辺の人です)のナンバーで、ジェニファー・ウォーンズがArista盤でも取り上げています。ちなみにマクレガーはアニメ映画「銀河鉄道999」の第2作(確か)の主題歌を歌ってますが、それは日本のみのリリース。「里見八犬伝」を歌ったジョン・オバニオン、「汚れた英雄」を歌ったローズマリー・バトラーといい、ウエストコーストのシンガーたちは、旬を過ぎると商業的に利用される気もします。


14・Temptation / Mother Earth
ブリング・ミー・ホーム
マザー・アースというとMercury時代の音源が去年Wounded BirdからやっとCD化されて、ようやく全貌がおぼろげながらわかりつつあります。トレイシー・ネルソン率いる6人組です。ネルソン自身はカントリー的な資質も強いですが、バンドにあってはブルーズ・シンガーの印象が強いです。これはRepriseに移籍してからのもので、エリック・カズ作品を4つ取り上げて話題となったもの。このTemptationもカズの1枚目に収められてたもので、そこではボニー・レイットの素晴らしい、ナショナル・スティールをフィーチャーしていました。ネルソンのパワフルな歌声が印象的です。CD化済。


15・A Good Place To Begin / Cymarron('71)
Rings: Very Best of
"Rings"のヒットを放ったシマロンは、リック・ヤンシーを中心とするメンフィスのグループ。チップス・モーマンが絡んでる事も合って、B J トーマスなど南部の白人カントリーのいい面がうまく出ています。 これはEntranceから71年に出たデビュー盤「Rings」から。ほとんどの曲はカヴァーですが、ブッチ・カーターとリチャード・メイネグラの共作のA Good Place To Beginは、アコギの素朴な感じが気持ちいいです。