22 Far East Man / Ron Wood
I've Got My Own Album to Do
フェイシズのgロンウッドの最初のソロ、「アイヴ・ガット・マイ・オウン・アルバム・トゥ・ドゥー」('74)から。ジョージハリスンとの共作でそっちの「ダークホース」に収録されたヴァージョンも捨てがたい。
この後ストーンズのツアーに参加する事もあって、ストーンズのメンバーが大挙参加。頭の曲ではいきなりミックジャガーの声が聞こえて、これをトップに持ってく辺りがウッドの人の良さを感じさせる(と誰かがレヴュー)。
さてこの曲はスライドの名手、ミック・テイラーにあえてbを弾かせて、ウッド自身がスライド弾くメローなバラードで、痒いところに手が届くような多彩なフレーズが堪能できる。
注目すべき事はウィリー・ウィークス(b)とアンディー・ニューマ−ク(ds)のリズム・セクションを起用してる事。ジョージの北米ツアーにも同行した、このリズム隊は当時、最高に注目されていた「旬」のコンビで、しなやかでいて、躍動感あふれる演奏に一役買っている。
後にジョー・ウォルシュがライヴ盤で彼らを起用した理由は、「ロン・ウッドのLPでのプレイが気に入った」だったと思う。
もひとつ長いキャリアからいろんな人脈を持つ人だけど、フェイシズ時代の盟友ロッド・スチュワートのソロに参加したメンツを集めた曲もあっておもしろい。
その”ミスティファイズミー”は、枯れたロッドのヴォーカルが絡むシーンが、なかなかカッコイイ。(後にジェファーソン・スターシップのピート・シアーズパイロット(ヒット曲連発のあれとは違う)を組むマーティン・クィンテットンも参加) こういった仲間への気配りがこのアルバムの成功の素の1つになってるんだろうなあ(よってこの邦題「俺と仲間」は満点)。
(’03.1.26)

27 Heaven Knows I'm Miserable Now / The Smiths
ハットフル・オブ・ホロウ
最近あるBBSで聞いたべスオートンの発言に
「あの頃イギリスにいてスミスの影響受けない人なんていなかった(大意)」
というのがあって妙に納得。80'sの英国のインディ・レーベルを代表するラフ・トレードのドル箱ならぬポンド箱となったスミスは83年にデビューした4人組。
ネオアコの名残があった当時のシーンに颯爽と現れたやや暗いギターバンドだった。当時徳間ジャパンから出た日本盤LPにはメンバーのインタヴューソノシートが付いていたがこの84年のヒット(全英6位)がアルバム化されたのは、その年の暮れに出た変則コンピ2枚目
「ハットフル・オブ・ホロウ」だった。
歌詞は暗いが、シンプルこの上ない構成にクリアなジョニー・マーのgがカシャカシャと心地よい、ギターサウンド。12のB面にはマンチェスターの猟奇的な連続殺人事件のことを歌った1stからの曲がカップリングされていた。
久しぶりに聞いた「ハットフル」は、BBCライヴとシングル曲のごちゃ混ぜ感が、今となっては新鮮に映る。大学の頃引越し用に作ったカセットは”ウイリアム”から始まってた(最後はアズテックカメラの”ダウンザディップ”)事も突然思い出した。まさに音楽の力。
(’03.1.27)
31 Shine On / Badfinger
Best of Vol 2
もちろんアップル時代のバッドフィンガーは最高だ、文句ない。
けれどワーナー時代だってそんなに悪くないでしょ? ってのが本音。
それほどアップル以後(まあワーナー以後はそうかもしれんが)の評価は、低い。
ビートルズの弟分」とよく言われたバッドフィンガーは、アイヴィーズを母体とした4人組で、69年に”カム・アンド・ゲット・イット”でデビュー。ちょうど僕が興味を持ち始めた80's後半は、アップル時代の音源が全世界的に入手困難で、今では信じられないような値段がLP興しのブートについていた。アップル時代よりも先にワーナー時代の2枚からのコンピ盤が、英エドセルから出て、これがちゃんとしたこのグループの初体験となった。89年の事。いまではこのワーナー時代の方が入手困難とは皮肉な話だ。
”シャインオン”は、そのコンピのタイトルになっていたもので、74年の「バッドフィンガー」(邦題は「涙の旅路」だったかな)から。初期のピーター・フランプトンを思い出すソフトな音作り。乾いたアコギがアメリカン・ロック寄りの感じで、これはこれで大好きだ。
プロデューサーはこの時期バンドの支えとなったクリス・トーマスで、次作「ウイッシュユーワーヒア」では、当時同棲中だったサディスティック・ミカ・バンド福井ミカが、日本語でナレーションを務めた”ノー・ワン・ノーズ”が 日本で話題となった。

レコードではポップなメロディアスな世界を展開してた バッドフィンガーだが、ライヴではかなり骨太のロックをきかせている。後年発掘された、この時期のライヴ音源で、それは確認できるけど、BBCライヴでは、デイヴ・メイスンを2曲取り上げててちょっとビックリだった。
(’03.1.31)


なんか最近の文章よりもおもしろい感じがするなあ(反省)