ヒア・カム・ザ・ガールズ

Here Comes the Girls
■Here Come The Girls / Varoius Artists
それまで60’sのガールシンガーというとほとんどが米国産のものが紹介されていて、英国産のものは、ペトゥラ・クラークやダスティ・スプリングフィールドなどごく一部にとどまっていた。その状態に風穴を開けたのがパイ音源を管理するSequelから90年に出た、「Here Come The Girls」。このコンピの好評もあって以後シリーズ化され確か7か8まで出てた記憶。オープニングにもってきたブレイカウェイズのThat’s How It Goes(’64)は、ゴージャスの極みともいえるトニー・ハッチ作品。結局のところ、ブレイカウェイズの最高の作品が、最初に紹介されたかと思うと感慨深い。サンディー・ショウのAs Long As Happy Baby(’64)はおなじみクリス・アンドリュース作品。こじんまりとまとまった上品な味わいはアメリカのガールズには出せない味だ。ジャン・パンターPut Sourself In My Place(’66)はイントロの感じがかなり新しいし、この後単独でCD復刻されたビリー・デイヴィスのNo Other Baby(’65)でのバカラックへの傾倒ぶりも楽しい。ハーマンズ・ハーミッツがカヴァーしたグラハム・グールドマン作のListen People(’66)を歌う、サラ・ジェーンは、楽曲に負けているが。おとなしいものが多い中、ロッキンなI Want You(’64)は、ジーニー&ビッグ・ガイズによる痛快なビートナンバー。ノーザン・ソウル的なI Can’t Believe What You Say(’65)はアイク・ターナーの曲で、歌うヴァル・マッケンナはスコットランド出身。アレックス・ハーヴィなどのテッド・マッケンナと関係あるか?
ちなみにビクターから出た日本盤とは曲目が一部ちがう。