第14回セレクト合戦・曲目発表


第14回セレクトは、紅白歌合戦がテーマで、紅組、白組にわかれて対決するもの。
個人的には、第4回から参加して、過去10回分のお題を盛り込みつつ、第2・5回カヴァーセレクト的にしてみました。つまりALLカヴァー曲による紅白セレクト。

前半は先行が紅組です。
1)Flesh Failures (Let the Sunshine In)
  :Brian Auger,Julie Driscoll,The Trinity ('68)

Streetnoise
Hair: The American Tribal Love Rock Musical - The Original Broadway Cast Recording
まずは、ブライアン・オーガー、ジュリー・ドリスコール、トリニティ。60年代のスウィンギング・ロンドンを代表するグループです。名盤「Streetnoise」(Verve)から。後にキース・ティペット夫人となるジュリー・ドリスコールのvoをフィーチャーしていますが、何といってもオーガーのorganのかっこよさでしょう。そう第1戦は、organ対決。第4回セレクトは「この○○を聞け!」と言うテーマで、○○には楽器を入れるアイディアでした。僕はハーモニカで参加。オリジナルはロック・ミュージカルとして一世を風靡した「Hair」の曲から。

2)Man In Me:Al Kooper ('74)
早すぎた自叙伝
New Morning
対する白組は、アル・クーパー。老人に扮したジャケットが有名な「A Possible Projection Of The Future/Childhood’s End」から。organ対決といっても実は両者男性なのですが、力量、インパクトはオーガーの方が、上でしょうか?ただ、「新しい夜明け」に入ったディラン曲を情感豊かに歌い上げます。うまくないですが(^^;

3)Something In The Air鈴木さえ子 ('87)

Hollywood Dream
続いては、歌うドラマー対決。近年「ケロロ軍曹」で、復活を遂げた鈴木さえ子は、元シネマ、元鈴木慶一夫人で、80年代にRCA傘下のdear heartから数枚のソロがあります。ドラマーでありながら、いくつもの楽器をこなすサウンドリエーターでもあり、キュートな歌声を聞かせるシンガーでもあります。これは「スタジオ・ロマンティスト」に収められた、サンダークラップ・ニューマンの有名曲のカヴァー。そのサンダークラップ・ニューマンは、フーのTrackレーベルからたった1枚のLPを出しただけで消えた英国のバンド。この曲は映画「いちご白書」にも使われました。

4)Drowning In The Sea Of Love:Snafu ('73)
Snafu/Situation Normal
Greatest Hits 1970-77
こちらはおそらくは全く無名。スナフーは、プロコル・ハルムの初代ドラマーだった、ボビー・ハリスンのバンドで、70'sのブリティッシュ・ロックの多様性を感じさせるもの。アメリカのソウル・ミュージックに傾倒しつつ、基本はブリティッシュという、まさに変則版「イギリスのアメリカ」。ワウワウを使ったり、カッティングしまくるgは、後にホワイトスネイクの、ミッキー・ムーディー。途中のエレピ・ソロもファンキーです。オリジナルは、ソウルファンにはおなじみの、ジョー・サイモン曲。73年の「Snafu」より。「僕がDJならセレクト」にも漏れましたが、ここで復活。

5)One Fine Day:Natalie Marchant ('97)
One Fine Day: Music From The Motion Picture
One Fine Day-26 Hits
楽曲対決。まずはゲリー・ゴフィン=キャロル・キング作のナンバーから。
シフォンズで有名なこの曲は、リタ・クーリッジもカヴァーもありますが、映画「素晴らしき日」('97)のサントラから、ぐっとジャジーなナタリー・マーチャントのヴァージョンで。元10000マニアックスのシンガーで、同時代のsswとして個人的に信頼してる1人です。

6)Goin' Back:Nils Lofgren ('75)
Nils Lofgren
Notorious Byrd Brothers (Exp)
白組は、ニルス・ロフグレン(元グリン、というよりもE・ストリート・バンドといったほうがいいか)の75年のファーストソロから。オリジナルはバーズの「名うてのバード兄弟」からで、クロスビー脱退のきっかけとなった曲(彼は職業作家によるポップな曲よりも、政治的メッセージのある曲をやりたがった)です。ニルスの弾くpianoが印象的。

7)Wichi Tai To:Harpers Bizzare ('69)
4

後半戦は、攻守交替で白組から。続いてはコーラス・グループ対決。エヴリシング・イズ・エヴリシング(画像見つからなかったけど、数年前にヴィヴィッドからCDになってます)の摩訶不思議なこの曲をカヴァーした(他にもAJウエッバー、レイチェル・ファーロのカヴァーがあります)のは、ハーパース・ビザールで大好きな「4」から。バーバンクな音ですが、時代柄ソフトロック寄りです。実は休日に聞きたい曲のボツ曲でした。

8)No Feelings:Bananarama ('83)

Never Mind the Bollocks Here's the Sex Pistols
映画「パーティー・パーティー」('83)のサントラは、奇妙なカヴァー曲の宝庫で、ネタはまだ温存してあります。バナナラマによるセックス・ピストルズの脱力感あふれるカヴァーは、個人的にもかなりのものかと。その後ユーロビートの波を受けてしまいますが、初期のバナナラマは、当時のUKシーンを彩った貴重な存在でした。コーラス&ハーモニー・セレクトでもこの曲を入れるかどうかは、結構迷いましたね。

9)Take It To The Limit:Frank Weber ('79)
ニューヨークのストレンジャー
呪われた夜 (紙ジャケット仕様)
これはウエスト・コースト楽曲対決。イーグルスの有名曲を見事に料理した、フランク・ウエバーは「東」の人で、時代柄AORの範疇で語られる人です。ここでもarrはあっと驚くもので、原曲を知ってる人は、初めて聞くとわかりにくいはず。そしてラストでは、そのイーグルスにリスペクトを表すかのような、リズムチェンジがさわやかな余韻を誘います。

10)Ballad Of Easy Rider:Fairport Convention ('69)
UNHALF BRICKING
Easy Rider: Music From The Soundtrack (1969 Film)
バーズのカヴァーですが、英国のフェアポート・コンヴェンション。サンディー・デニーの歌声には癒されます。昔はリチャード・トンプソンの編集盤「(guitar,vocal)」でしか聞けなかったのですが、最近は「Unhalfbricking」のアウトテイクとしてボーナスに加えられ、容易に聞けるようになりました。

11)Sue Me Sue You Blue:Jesse Ed Davis ('72)
ウルル
Living in the Material World
最後はビートルズ・ソロ楽曲対決。いろいろ考えたのですが、ジェシ・デイヴィスの「ウルル」から、ジョージ曲を。強力なスライドのイントロですが、ジョージ・ハリスンは、ジェシを、バングラデッシュのコンサートのクラプトンの控えとして起用していましたが、もしクラプトンが不調でこのコンサートに出てなかったら、ジェシの評価ももっと変わったでしょうね。

12)Jelous Guy:イノトモ ('00)
タンポポ
Imagine
おしまいはこれと決めてました。イノトモ&ネタンダーズによる、ジョン・レノンのカヴァー。近年マイペースな活動を続けるイノトモですが、その声には癒されます。これはシングル「タンポポ」に収録

とりあえず、レギュラーの12曲。拡大ヴァージョンは6曲目と7曲目の間に4曲あります。


6’)Yesterday:PP Arnold
カフンタ
楽曲対決、次はビートルズ。英国60’sガールズからPP・アーノルドの登場。奇抜なメイクが印象的な黒人シンガーで、アンドリュー・ルーグ・オールダムのイミディエイトからのリリース。この”イエスタデイ”はかなり大げさなarrだけど、元の曲がまああんな感じだからちょうどいいか。
6'')I Call Your Name:Buckinghams
Mercy Mercy Mercy: A Collection
シカゴ出身のブルーアイド・ソウルのバッキンガムスによるパンチの効いたブラスロックがこのヴァージョン。
6''')Carry On:Timothy B Schmit
Steal This Movie (2000 Film)
デジャ・ヴ
続いてはCSN(&Y)対決。「Steal This Movie」と言う映画は結局劇場未公開だったらしいが、メアリー・チェイピン・カーペンターの”メロウ・イエロー”などいいカヴァーが満載のサントラにあって、ハイライトは完コピに近い、ティモシーのこれ。
6'''')Wooden Ship:Chris Harwood
ナイス・トゥ・ミート・ミス・
クロスビー、スティルス&ナッシュ
ティルス作のカヴァー・ヴァージョンではかなりのレアアイテムだったのが、クリス・ハーウッドの”木の舟”。Birthなるマイナー・レーベルから出た「Nice To Meet To Miss Christine」は廃盤屋の壁の花としてもなかなかお目にかかれなかった1枚で、去年伊のアカルマから粗悪な紙ジャケでリリース。英国ジャズロックの精鋭、リフ・ラフの連中をバックにしての歌声も素敵。