ハングリー・チャック


■Hungry Chuck
80年にCBSソニーから出た「It's A Beautiful Rock Day」シリーズは、当時CBSソニーが持ってたベアズヴィル音源とコロンビア、エピック音源のssw、スワンプ、シスコロックなどを再発したシリーズで、コンプトン&バトゥ、トニー・コジネク、ジョン・マニングなどこのシリーズで初めて紹介されたものも多かった。ベアズヴィル音源はワーナーとの契約が切れて久しかったので、ウッドストック産の名作「ボビー・チャールズ」と共にハングリー・チャックが紹介されたのは、2度目と言えうれしかった。
大学生だったになってからこのアルバムを買った僕としては、当時実はなんだか良くわからなかったことを告白しとこう。ニール・ヤングとの仕事で知られるベン・キース(steel)、ベターデイズ、ジェフ&マリアのエイモス・ギャレット(g)、ボー・グランプスのジム・コールグローヴ(vo,b)、マウンテンのメンバーだったこともあるN D Smart(ds)ら6人によるジャムセッションで、明確なバンドという形ではなかったので、その辺の自由な感じが当時よくわからなかったのだろう。ホーンの入ったニュー・オーリンズ・ジャズっぽい雰囲気を出した、”Hats Off America!”、”Old Thomas Jefferson”といったナンバーから、ギャレットの鋭い切り込みのgをフィーチャーした、”Crusing”、”Play That Country Music”、ポール・バターフィールドが熱いharpを吹く、”Watch The Trucks Go By”が素晴らしい。ラストに収められた”South In New Orleans”は、ザ・バンドのラスト・ワルツで、ボビー・チャールズが歌ったナンバー。小品ながら奇妙な味わいを残す”You Better Watch It Ben,Some Day You're Gonna Run Out Of Gas”もいい。リリースは72年。