0607★★フランケンシュタインの怪獣・サンダ対ガイラ('66日本)  

監督:本多猪四郎
主演:ラス・タンブリン、水野久美佐原健二田崎潤
フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ [DVD]
急速に子供向きに傾いていった怪獣映画の、いわば原点ともいえる怪獣の恐怖にポイントを置いて東宝が新たに米ベネディクト・プロと合作した特撮映画。第二次大戦中ドイツ軍で研究された永遠に生き続ける「フランケンシュタインの心臓」が広島で被爆して生まれた「フランケンシュタイン」(シェリー夫人の創造したキャラクターとはかなり趣が違う)が地底怪獣・バラゴンと戦うのが、0606。陽の関沢(新一)陰の馬渕と言われた馬渕薫が脚本を担当。不幸な運命を持ったフランケンシュタインの悲劇があるので、暗い出来。社会風俗も65年とは思えないくらい古い。日米合作ということもあり、日本版と海外版ではエンディングが異なる(日本版のほうが自然。海外版はなぜか大ダコが出現(富士山麓に!))。
1h30
一方設定を一部替えた、姉妹編が0607。こちらは自衛隊の秘密兵器メーサー砲の造形の素晴らしさがクローズアップされるが、よりスピーディーな演出で、平成ゴジラガメラシリーズにも影響を与えた。水野久美が名前は違うが同じ役柄だが、前作とはうって変わったモダンな美しさを誇る。山の怪獣サンダ、海の怪獣、ガイラというネーミングは、海彦山彦伝承に基づいているが、造形が不気味(身長サイズがゴジラよりも小柄なためよりリアルな感じがある)だし、ガイラが人間を食べるシーンは結構グロい。2本とも伊福部明の音楽で、独特の旋律の伊福部メロディが流れるが、0607の海外版でこれを嫌ったのか、一部でBGMの差し替えられている。
1h28