エリック・クラプトン

No Reason to Cry
■No Reason To Cry / Eric Clapton
シャングリラ・スタジオでザ・バンドやディランらと録音されたクラプトンのレイドバックし切った1枚「ノー・リーズン・トゥ・クライ」('76)から。昔はちょっと甘すぎるかなあ、とも思ったけど久々に聞きなおすとなかなか素晴らしい。ディラン作の"Sign Language"では、ディランもコーラスで参加。後ろの方でロビー・ロバートソンのパキパキいうgが印象的。バックは、ジョージ・テリー(g)、カール・レイドル(b)、ディック・シムズ(kb)、ジェイミー・オールデッカー(ds〜最近ソロが出た)、マーシー・レヴィー(vo)のクラプトン・バンド。ラスト・ワルツの拡大版でも紹介された、"All Our Past Time"ではリック・ダンコのコーラスも入り、全体にザ・バンド色が濃い。"Hello Old Friend"、"Hungry"など従来のクラプトン路線の曲もぐっとまろやかになった。レゲエ色が薄れたのも聴きやすくなった理由かも。マーシー・レヴィーは、後にバナナラマのメンバーとシェイクスピアズ・シスターというユニットを立ち上げるが、ソロも1枚ある。ここでは”Innocent Times”でゴスペル風の歌声を聞かせる。この次が英国録音の「スロウハンド」なのだけど、そちらではこのフルーティーともいえる甘さはない。CD化にあたってボーナスが1曲。日本盤のライナーにも英文ライナー(そんなものはない)にも何の記載もないが、"Last Night"は自作のブルーズ("Early In The Morning"の元歌か)。#0604