クリスティン・マクヴィー

In the Meantime
■In The Meantime / Christine McVie
主に70'sの音楽を日常的に聴いてる僕にとって、その当時ピークだった人たち(つまりはヴェテラン)の近作、新譜は、思い切って聞かないことが多い。それは経験的に感じることだけど、聞かなきゃよかったと後悔することが多いから。最近では、再結成したイーグルスのステージを行かなかったこともそれだし、フリートウッド・マックジェームズ・テイラージャクソン・ブラウンらの近作も、納得ゆく物ではなかった。だから再編マックに加わらなかったクリスティン・マクヴィーの新作もあまり期待してなかった。妙齢のはずだけど、ジャケットの姿は下手すると昔よりも若々しく、その辺で胡散臭い感じもしたものだった(女は魔物か?というジャン・ピエール・レオの台詞を思い出す)。97年の「The Dance」リリース後英国に戻り、家庭生活を満喫していたというクリスティンが、音楽活動への渇望から、7年ぶりにリリースしたのが本作(レーベルは最近ではヴェテランの再生の場となったSanctuary)。冒頭の"Friends"は、"You Make Loving Fun"の焼き直しという意見もあるが、僕としては、大好きな曲だけにうれしい驚きだった。共作者としてマック・ファミリーの協力でアルバムを出したこともあるロビー・パットンの名前があったり、ジョージ・ホーキンス(b〜元Firefall)、スティーヴ・フェローン(ds〜元AWB)といった懐かしい名前を見つけたりする。ただこの勢いは残念ながら最後まで続かない。"Calumny"、"You Are"、"Northern Star"といった佳曲はあるが、後半にかけて同じような表情を持つ曲が並び、どうでもよくなってしまうのだ。音は打ち込み主体で、個々の楽器が浮き彫りとなるバンドサウンドとは程遠いけど、まずは復帰を喜ぶべきなんだろう。クリスティンが初めて加わったマックの「Future Games」でsaxを吹いていた兄、ジョン・パーフェクトがライナーでコメントを寄せ、その息子のダン(つまりクリスティンにとっては甥に当たる)が作曲、gで加わっている。