キャプテン・ビヨンド

衝撃の極地
■Suficiently Breathless / Captain Beyond
キャプテン・ビヨンドは、第1期パープルのロッド・エヴァンス(本家のパープルが活動休止中の80'sにディープ・パープルを名乗って裁判を起こされたこともあった)がジョニー・ウィンター・アンドのボビー・コールドウェル(ds〜もちろんAORの人とは別人)、アイアン・バタフライのリー・ドーマン(b)、ライノ(g)らと組んだハードロック。英米混成だが、レーベルがキャプリコーンにもかかわらず、音的には英国的な緻密な音作りだったけど、なにしろ疲れるのだ。73年に出た2枚目「Suficiently Breathless」は当時「衝撃の極地」(これって「極致」の誤りだと思う)と言う邦題で日本でもビクターから紹介されたが、音の感じはかなり変わっている。メンバーはエヴァンス、ライノ、ドーマンの3人に、ガリー・ガルシア(perc)、マーティー・ロドリゲス(ds)、リース・ワイナンズ(kb)が加わった6人で、ハードロックというよりは、ラテンロック風味満載。英国臭もかなり抜けている。クレジットにある、オールマンズの故ベリー・オークリーに捧げるとあるが、それがこのアルバムの性格を表わしてる気もする。
タイトル曲は抜けるようなgが心地よく、アメリカンな感じ。少なくとも浮遊感のあるgだけとると、ウエストコースト風だ。強烈なラテンロックの"Drifting In Space"は、percが大活躍するもの。タイトルなどは前作の流れを汲んでいるかのようにSF的というかプログレ的だが、それはアルバム全体にいえる。バラードの"Starglow Energy"はエヴァンスの歌唱がやはりこういう曲向きという事を改めて感じさせる。
世評では圧倒的に1枚目だけど、個人的にはこの2枚目(ジャケットはひどいが)。この後バンドは解散、後に再結成するが、エヴァンスは加わっていない。 #0610