ボズ・スキャッグス

Boz Scaggs
Boz Scaggs
ボズ・スキャッグスデュアン・オールマン」という邦題がついてた気がする、69年のデビュー作。初ボズが「ダウン・トゥ・ゼン・レフト」だった僕は、シティ・ソウルの権化みたいなイメージのボズが、これほど田舎くさいR&Bっぽい作品を残してるとは知らなかった。アラバマのマッスル・ショールズ録音で、デュアン(g、オールマンズ結成前)、デヴィッド・フッド(b)、ロジャー・ホーキンス(ds)、バリー・ベケット(kb〜この3人は後にトラフィックに参加する)、エディ・ヒントン(g)らが参加。ストレートな南部風R&Bだが、ボズの歌声はそれほどソウルフルではないので、僕でもOK。有名なのはフェントン・ロビンソン作の”Loan Me A Dime”で12分にわたる名演(「フィルモア最後の日」のライヴでもやっている)。意外とカントリー(といっても南部経由だが)っぽいものもあって、"Now You're Gone"、ジミー・ロジャースの"Waiting For A Train"がおもしろい。田舎の都会というか、精一杯かっこつけたような"I'll Be Long Gone"、"Another Day"もいい。
このアルバムの良さはなかなかわからなくて、好きになったのはごく最近。ボズそのものは、Mr.AORという売られ方もあるのだろうけど、それほど熱心に聞いた覚えはない。けど一連のヒット曲(例えば"Lido Shuffle"や"Breakdown Dead Ahead")がラジオから流れれば、思わず身を乗り出してしまうのだ。