スタイル・カウンシル

カフェ・ブリュ
■Cafe Bleu / The Style Council
84年に出たスタイル・カウンシルのデビュー作。といってもすでに先行シングルが数枚、それを集めたミニLPも出ていたけど、7"、12"そしてLPを完全に別のものとしてとらえているこのグループ(といっても元ジャムのポール・ウェラーと元マートン・パークスのミック・タルボットの2人だが)らしくそれまでのシングルとはいきなりスタイルを変えてきた。さすがスタイル委員会という名前だけはある。84年当時、ロックとはダサく、ボサノヴァやフレンチはオシャレなものだったのだ。ここでのスタカンは非ロック的な音楽(ソウル、ボサノヴァ、ラップ、ジャズ)のイディオムを効果的に取り入れてこのデビューアルバムを作った。形式だけで中身は何もない、といった評もあって、まあ言わんとしてることは良くわかるけど、このアルバムの魔力にはかなわない。タルボットの弾くインストが最初と最後にあり(最後の"Council Meetin'"では、萩原健太氏のラジオ番組を思い出す)、第3のメンバー、スティーヴ・ホワイト(ds)、ベン・ワット(g)、トレイシー・ソーン(vo)のエヴリシング・バット・ザ・ガール、後にウェラー夫人のDCリー(vo)、ジョーボクサーズのクリス・ボストック(b)らをゲストに迎えた曲が並ぶ。A面のハイライトは、ワット&ソーンをフィーチャーしたけだるい"The Paris Match"のセルフリメイクで、前曲の"Blue Cafe"からの流れが美しい。後半は名曲"You're The Best Thing"に尽きる。
初スタカンは、どこかのシスコで買った"A Solid Bond In Your Heart"の7"だったけど、この1枚目はホント浴びるくらい聞いた1枚。トレイシーを引き連れての初来日も当然見に行ったのだ(From A Act Aliveという企画ものだった)。