エレクトリック・フラッグ

Old Glory: Best of
■Old Glory / The Best Of Electric Flag
バターフィールド・ブルーズ・バンドを去ったマイク・ブルームフィールドがニック・グラヴェニツ(kb,vo)、バリー・ゴールドバーグ(kb)、バディ・マイルス(ds,vo)、ハーヴェイ・ブルックス(b)らと結成したのがエレクトリック・フラッグ。その後のバターフィールド・ブルーズ・バンドが管を持ったユニークなホワイト・ブルーズ・バンドになったのと呼応するかのように、この電気旗も3人のホーンズをフィーチャーしたブラスロックで、おもしろい(こういう「音楽性の違いで辞めたバンドが、その後自分がやりたい音楽に似てくる」という偶然はわりとあって、思いつくのはパープルを辞めたニック・シンパーのウォーホース、ジェスロ・タルを辞めたミック・エイブラハムスのブロッドウィン・ピッグなど)。
68年に出たデビュー作「A Long Time Comin'」はブルーズ・ロック、ブラス・ロック、ブルー・アイド・ソウルが混ざったような1枚で、なかなかヴァラエティに富んでいる。オーティス・レディングみたいな"You Don't Realize"、いかにも東海岸の音をしてる"Sittin' In Circles"、"Groovin' Is Easy"(QMSのマネージャー、ロン・ポルト作のクレジットがあるが、実際はグラヴェニツが書いたと言う)がいい。ブルームフィールドが去り、ホーシャル・ライト(g)が加わった2作目にして最終作「An American Music Band」はジョン・サイモンがprodして、イニシアティヴをグラヴェニツが握った1枚となった。実はこっちの方が味わい深かったりもする。"With Time There Is Change"とか"Nothing To Do"は、なかなかブルー・アイド・ソウルな出来。
これは95年にColumbia/Legacyから出たコンピCDで、当時未発表だったモンタレー・ポップ・フェスでのライヴを含んでいる。