ストリートウォーカーズ

Red Card
■Red Card /Streetwalkers
ファミリー解散後ロジャー・チャップマンとチャーリー・ホイットニーが結成したのがストリートウォーカーズ。英国ではまさにワーキング・クラス・ヒーローだったチャップマンのアクの強い歌声が気に入るかどうかの、一種の(ブリティッシュ・ロックの)リトマス試験紙だったわけだけど、僕もここ何年かでやっとこの人の良さがわかってきたクチ。ことストリートウォーカーズにいたっては、ソウルを消化した英国流ファンキー・ミュージックがブルーズと交錯してるような音で、プログレ、フォーク好きの英国ロックファン向きではない。初めて聞いたのはバンドとしてのファースト(それよりも前にチャップマン=ホイットニーとして「Streetwalkers」がある)「Downtown Flyers」だが、米盤(彼らの作品は英米でジャケットも変えられてることが多い)では「Streetwalkers」名義(先のチャップマン=ホイットニーには米未発売)とかなりややこしい。
さて全英16位まであがったこの2枚目(76年リリース)は英盤がバンド名(娼婦の意味)に引っ掛けたヒールを履いた女性の肢をイメージしたものだが、米盤では死神のジャケット。
http://members.aol.com/stwalkers/albums/st3.htm

メンバーは先の2人にボブ・テンチ(g/元ジェフ・ベック・グループ)、ジョン・プローテル(b)、ニコ・マクベイン(ds)の5人。UKスワンプと呼ぶには洗練されすぎた部分もあるが、同時代のソウルに影響された"Roll Up,Roll Up"、その名の通りストーンズを思わせる(重心はかなり低い)"Daddy Rolling Stone"、迫力満点の"Run For Cover"、"Shotgun Messiah"(タイトルもかっこいい)がいい。
この後メンバーが変わってブライアン・ジョンストン(kb)、デヴィッド・ドウル(ds)、ミッキー・フィート(b)が加わるが、フィート以外の2人は解散後、ホワイトスネイクに加わったこともある(結局元パープルの2人に置き換わるのだけど)。初期ホワイトスネイクが「泥くささ」をキーワードに語られるのは、ストリートウォーカーズ出身のメンバーが絡んでたこととも無関係ではあるまい。