大貫妙子

MIGNONNE
■Mignonne / 大貫妙子
クラウンからRCAに移籍しての第1弾。シュガー・ベイブ時代からのアメリカ的な音作りは、ひとまずこのあたりで終わりといった感じだが、prodは音楽評論家の小倉エージでarrにニュー・ミュージック系の仕事で知られる瀬尾一三坂本龍一が起用されている。
"じゃじゃ馬娘"はストリングスやホーンズがなんとも中道的な印象をうけるが、後のステージでも重要なレパートリーだった。軽やかな"横顔"、"空を飛べたら"は、フィフス・アヴェニュー・バンド的な音。特に後者のフットワークの軽さが魅力。アコギの名手、吉川忠英も参加。"黄昏れ"は、後のヨーロッパ路線にも通じるしっとりとした音。高橋ユキヒロ、細野晴臣、坂本のYMOが参加。"風のオルガン"もしっとりとしながら、抜けたメロディがいい。坂本の弾くsynが印象的な"言い出せなくて"はファンキーな演奏が面白い。コーラスはシンガーズ・スリー。異色のファンク・チューン"4:00AM"に続く"突然の贈りもの"は、ター坊の代表作ともいえるもの。竹内まりやがデビューLPでも取り上げていたが、作者ならではの解釈が一番。「置き忘れたものなにもかもそのままにあるの 幸福でいたならそれでよかった」という一節にター坊の美学が見れる。松木恒秀の硬いgもいい。"あこがれ"は母親に向けたものらしいが、感動的なエンディングを迎える。ソロは高中正義
ところでこのジャケット好き。当時のGFにこのポーズをとらせた事はあったけど、セーターは黒でないといけないよね。リアルタイムで熱心にター坊のアルバムを聞いてたのは、やはり「Aventure」、「Cliche」あたり。バックがコンピュータ2台のステージを見たのは83年ごろだったかな。