ウィッシュボーン・アッシュ

Front Page News
■Front Page News / Wishbone Ash
伝統的な英国ロックを演奏していたウィッシュボーン・アッシュは、オリジナル・メンバーのテッド・ターナー(g)の脱退後しばらくレコーディングをアメリカに移し、トム・ダウド、ビル・シムジクといったアメリカ人プロデューサーに任せた諸作をリリース。この時期の作品は結構評価が低いらしいのだけど、77年の「Front Page News」では、マイアミのクライテリア・スタジオ録音、プロデューサーは、このスタジオ録音作品には欠かせないハワード&ロン・アルバート。この時期はアメリカナイズされた音、と評価されてるらしいが確かに「Argus」の頃のような英国臭を感じ取るのは難しいかもしれないが、僕には英国ロックとしか聞こえない。
始めて聴いたアッシュは渋谷陽一の「ヤング・ジョッキー」でこのLPからの"Right Or Wrong"だった気がする。ハードな曲は実はこの曲しかないのだけど、あと大半はメローな印象の曲で("714"なんてインストは本当に美しい)、同日OAされたクラプトンの「Slowhand」からの"Peaches & Diesel"あたりと重なる。"The Day I Found Your Love"もメローな代表曲で、これと"Midnight Dancer"だけでこのアルバムを聞く価値はある気がする。