リンディスファーン

Nicely Out of Tune
■Nicely Out Of Tune / Lindisfarne
「素敵に調子っぱずれ」というタイトルからしてもう素晴らしいリンディスファーンのファースト。ここ数年、膨大な数のアルバムを出してる現役バンドという認識も日本で浸透してきたらしく、そこそこの知名度もあるようになったスコットランドのフォーク・ロック。未だに地元ニューカッスルでは、アラン・ハルの名前はとどろいてるらしい。そのハル(vo,g,kb)、ロッド・クレメンツ(b,kb,vn)、レイ・ジャクソン(vo,harp,mand)、サイモン・コウ(g,mand,vo)、レイ・レイドロウ(ds)によるオリジナルメンバーの歌と演奏は、暖かく、人懐っこい。知名度は次の「Fog On The Tyne」の方があるようだけど、彼方にビッグベンを臨むジャケット(ショックさんはリプトンのティー・バッグみたい、とのたまった)のよさでこっちの勝ち。といっても大差はなく素晴らしいのだけど。ヒットした"Lady Eleanor"と"We Can Swing Together"もさることながら、"Winter Song"の寒々とした部屋でのぬくもりを感じさせるメロディー(張り詰めたアコギの弦!)、盟友ラブ・ノークスの素晴らしいカヴァー"Turn A Deaf Ear"、オリジナルでありながらトラッド的な気高さを感じさせる"Clear White Light Pt2"、そしてウディ・ガスリーのカヴァーで思わず踊りだしたくなる"Jackhammer Blues"といった名曲の数々。prodはジョン・アンソニーなのでおそらくトライデント・スタジオ録音だろう。ちなみにここから2回もセレクト合戦に使った覚え。