第16回セレクト合戦〜秋のなごみセレクト 曲目発表


セレクターの皆さん、感想はこちらまでお願いします。

(1)Oyster And The Flyingfish:Kevin Ayers & Bridget St.John
Shooting at the Moon
「月に撃つ」という邦題がついたケヴィン・エアーズの2枚目「Shooting At The Moon」('70)から。元ソフト・マシーンというキャリアからプログレな人というイメージが根強いけど、僕にはセルジュ・ゲンズブールなんかとイメージがダブるssw、という感じ。と言いつつこのアルバムは、一番プログレっぽい(バックのホール・ワールドにはマイク・オールドフィールド参加(bassだけど)けど。女性ssw、ブリジット・St・ジョンとのデュエットで男女とも低音の魅力が堪能できるボッサもの。ちなみに「牡蠣」は生よりもフライが好き。「柿」は嫌いです(^^)

(2)Hush A Bye:Spice

Pushbikeは90'sの初めにギターポップネオアコを量産していた国立のインディー・レーベルで、その第1弾がこの「See See You Tommorow」('93)。後にメジャーとなるジェンカやサニー・デイ・サービスをフィーチャー。どれもなんとなくショボいのだけど、スパイスのこの曲は、歌は弱いが不思議な魅力がある。このセレクトの裏テーマが「アコギ」なので、思わず入れてしまったけど、これ春の歌だった(T.T) 初めて聞いたのは御茶ノ水の有名レンタル屋ジャニスにて。
http://www.under-flower.co.jp/uf/uf%20new%20top%20page/Push%20bike/Pb%20disco1.html

(3)Good Lady Of Tronto:Fifth Avenue Band
ザ・フィフス・アヴェニュー・バンド
セレクト界隈ではみんな持ってるだろうフィフス・アヴェニュー・バンドをあえて入れてしまったのも流れで。ピーター・ゴールウェイのソロでもリメイクされるけど、個人的にはこっちのヴァージョンがいい。それにしてもsteelは誰が弾いてるのだろう?ケニー・アルトマン?若かりし頃恋人に子供が出来てしまった歌だけど、演奏は妙に明るい。

(4)Natural Life:Saffron Summerfield

Mother Earthというマイナー・レーベルから74年にデビューしたサフロン・サマーフィールドは、後期トレイダー・ホーンに参加したと噂されるssw。タレ眼がキュートなジャケットの「Salisbury Plain」からのこの曲はリコーダーが可愛らしい。2枚目と一緒に味気ないジャケットで「The Early Years」というタイトルでCD化され、わりと容易に聞けるようだ。
http://www.saffronsummerfield.co.uk/

(5)Ventura Highway:America
Homecoming
アコギというので入れてしまったこれもアメリカの有名曲。有名なイントロのリフをサンプリングした最近の曲もあるらしい。ちなみにVenturaとは、サンタ・バーバラとロス・アンジェルスの間にある街の名前。72年の3枚目「Homecoming」から。実はアメリカと言うグループはヒット曲しか知らないのだけど、そのどれもがあの頃のラジオと密接につながってる感じ。

(6)Green Rocky Road:Wendy Waldman
Wendy Waldman
75年の3枚目「Wendy Waldman」から。ウェンディー・ウォルドマンは、LA出身のsswとしては評価が遅れてた人で最近Collector's Choice Musicより70'sのWB音源が一挙CD化されたが、フォーキーな度合いがローラ・アランと並んで一番好みの世界かも。ソロ以前にやっていたブリンドル(その後再結成)のメンバー、アンドリュー・ゴールド、ケニー・エドワーズ(ここではシブい生slideを聞かせる)、カーラ・ボノフが参加した、実質上のブリンドルの録音。

(7)Bad Weather:Illinois Speed Press
Illinois Speed Press / Duet
画像のCDは2in1でファーストのジャケットだが、イリノイ・スピード・プレスとしては2枚目の「Duets」('70)から。大所帯のメンバーからポール・コットンとカル・デイヴィッドの二人になってしまったわけだけど、その分やりたいことがより明確になった感じもする。この後解散、コットンはジム・メッシーナの後任としてポコに参加、「From The Inside」でもこの曲をリメイクしている。デイヴィッドはハーヴェイ・ブルックス率いるウッドストックのスーパーバンド、ファビュラス・ラインストーンズに参加。

(8)Louisville AD:Michael Stanley

これは以前sswセレクトに入れたもの。マイケル・スタンレーはコロラド出身のsswで、後にマイケル・スタンレー・バンドを結成してそこそこのヒットを飛ばす人だが、この74年のデビュー作「Michael Stanley」は、Tunbleweedというマイナー・レーベルからのリリース。当時から交流があったジョー・ウォルシュ一派が参加したこの曲は、ウォルシュのねちっこいslideをたっぷりフィーチャーしたフォークロック。steelはリック・デリンジャー

(9)Children:Ann Odell

"Melting Pot"のヒットを飛ばしたブルー・ミンクのkb奏者でもあり、ショパン、ブライアン・フェリー・バンドでも活躍したアン・オデルの唯一のソロ「A Little Taste」('73)はDJMからリリースされたもの。ニッチポップなんて便利な言葉で片付けられてるけど、なかなか深いブリティッシュ・ポップ。この"Children"は、しっとりとしたpianoの弾き語りで、レスリー・ダンカンを思い出したりもする。昔CDが出てたが今は入手困難。

(10)Love Must Be The Best Time Of Your Life:Amazing Blondel

Island時代のアメイジング・ブロンデルは今回ショックさんや風来坊さんがセレクトに入れる予感があったのだけど、ルネッサンス時代の古楽器を使ったもので「England」が代表作。ただDJMに移ってからはそういうスタイルにこだわらずポップなメロディーも出てくるようになった。この曲は74年の「Mulgrave Street」から。思わずハッとさせられる美メロ。メンバーはテリー・ウィンスコットとエディー・ベアード。

(11)To My Maker:Colin Hare

英国三連発の最後は、元ハニーバスのコリン・ヘアのソロ「March Hare」('71)から。意外にもディランに傾倒したかのような歌声でおもしろい。珍しいところでは後にロックパイルのビリー・ブレムナー(g)が参加。レーベルはPenny Farthing。

(12)さんま焼けたか:斉藤哲夫
GOLDEN J-POP/THE BEST 斉藤哲夫
これは実は「カレンダーセレクト」の際にボツにしたもの。77年の「僕の古い友達」より。東京に住んでた頃、墨田・江東エリアばかりだったので、実はこの辺の下町はなじみ深くて、今となっては懐かしい。歌詞に出てくる風俗は77年当時既に「昔ながらの下町」だったのだけど、今ではどの程度残ってるのかな? steelは駒沢裕城だろう。当初は「秋にちなんだ曲」ばかり集めてみようかなと思ったのだけど、すぐ挫折。最初と最後を秋味で結んで、アコギを使ったフォークロックを並べた僕にとっては、珍しく統一感のあるセレクトでした。