shoes#3

My Aim Is True (Bonus CD)
■(The Angels Wanna Wear My) Red Shoes / Elvis Costello
ストラングラーズの初来日公演で観客と警備員の小ぜり合いが起き、ジャン・ジャック・バーネルが観客を煽ったとか、コステロが銀座で(新宿だったらよかったのに)学生服着たままゲリラ的なライヴを行ったとか、そういうニュースが入ってくると当時高校生だった僕らは、わけもなくコーフンした覚えだったけど、実はそれほど怒れる若者だったわけでは当然なく、全米トップ40のチャートをつけてたりするロック少年だったのだ、僕は。コステロのデビュー作「My Aim Is True」('77)は、当時のパワー・ポップ(パンクに対抗してこう呼ばれていた、但し短期間)の総本山スティッフからのリリースで、日本ではレーダー(スティッフのスタッフが飛び出して作った)から出た2枚目のほうが先に出た。ジャケットにジーンズ、セルの黒メガネ、おまけに「エルヴィス」と言う芸名(77年に”キング”は亡くなった)からして相当なキワモノと思った人は多かったと思う。バックはおなじみのアトラクションズではなく、渡英して出稼ぎに来ていたシスコ出身のクローヴァーで、後にドゥービーのジョン・マクフィー(g)やヒューイ・ルイス(harp)も参加。そのせいもあるのか、それほど怒ってないのだ。ある種パンク的だったのは、2枚目の「This Years Model」で、3枚目以降徐々にコステロの深すぎる音楽的なルーツが、明らかになってゆく。
    おまけ
"Watching The Detectives"はデビュー作の日本盤に追加で収録されてたもの。レゲエタッチの怒れるナンバーで、今見るとそうでもないが、パンクの波が起きつつあった77年当時には、けっこうストレンジに感じる。バックはアトラクションズ。