angel#2

Tusk
■Angel / Fleetwood Mac
メガヒット作の次作というのは、相当難しい。同じパターンで作ると二番煎じと言われるし、それでもファンの多くは前作のようなものを期待してるし、次の一手というのは重要だ。考えに考えて時間が空きすぎると、今度はタイミングを逃してしまう。大ベストセラーとなった「Rumours」('77)に続くフリートウッド・マックのアルバムは、結果として2枚組となった「Tusk」('79)で、曲数が増えたことでイメージが散漫になってしまった。ひょっとするとこれは意図的なことかもしれないが、メンバーはビートルズの「ホワイト・アルバム」をイメージしたのでは?という想像も楽しい。いろんなタイプの曲が無造作に並べられていて、リンジー・バッキンガムやミック・フリートウッドの曲はやや実験的なイメージもある。クリスティン・マクヴィーやスティーヴィー・ニックスの曲は、前作の流れを汲んでいる。とりわけ視覚的な「華」である、スティーヴィーは、"Storms"、"Beautiful Child"、"Sara"といったアルバムでも肝となる曲を書いている。"Angel"はそれらに比べるとやや地味ながら、作りこまれた感じが悪くない。
     おまけ
"Sara"は、「Tusk」から2枚目のシングルで#7まで上がったヒット曲だがとにかく長い、という印象がある。スティーヴィーお得意のヒラヒラ衣装が印象的。おそらく同時代のライヴ映像だろう。