night#3

Live in 1979
■Shot Down In The Night / Hawkwind
実際にライヴを体験することはもとより動いてる姿すら拝めなかった、70'sの日本のロックファンは、当然視覚的なイメージよりも、聴覚からのイメージの方が重要だった。だから見かけと音にギャップがある、本国ではキワモノっぽいいでたちのバンドが、日本では評価されてしまったりする。ロイ・ウッドのウィザードやこのホークウインドもそう。ホークウインドの場合、スペースロックだのラスト・サイケデリック・ヒーローだのよくわからない叩き文句があったが、要するにSFとドラッグと爆音にかぶれた連中。最初期はピンク・フロイドっぽいアンダーグランド感がプンプンするもの。そのうち爆音系のラウドなハードロック(ただしそれほど重くなく、酩酊感、覚醒感がある)と変わり、ハイ・タイドのサイモン・ハウスが加わった頃には、英SFシーンの重鎮、マイケル・ムアコックも加わり物語性を増したプログレっぽい味も出す。そしてテクノ風となり解散。ホークローズ(Hawlords)と名乗り1枚出した後79年に再結成。時代はパンク〜ニュー・ウェイヴの時代ながら、そのスピード感あふれる演奏がパンクファン、そして来たるべくNWOHMのファンに支持され復活。その様子を収めたのがBronzeから出た「Live 1979」だった。黄金期のメンバーだったレミー率いるモーターヘッドの所属してるレーベルということもあるのだけど、この時期のメンバーは唯一のオリジナルメンバーのデイヴ・ブロック(g,vo)、そしてデビュー作以来10年ぶりの復帰となるロイド・ラングトン(g)、全盛期のメンバー、サイモン・キング(ds)、ホークローズのハーヴェイ・ベインズブリッジ(b)、そして元ゴングのティム・ブレイク(syn)で、80年に出たライヴ盤は久々のヒットとなった。初ホークウインドが実はこのライヴだったけど、そのスピード感、スペース感はゴキゲンだった。結局このラインナップはジンジャー・ベイカー(ds)が参加した「Levitation」で終わり、再びマイナーレーベルに舞台を移しての、現在まで続く爆音の世界となるのだけど・・・
              おまけ
見てくれは実はこういうバンドで、非常にキタナい。ヌードダンサーのステイシア(アシュトン、ガードナー&ダイクのロイ・ダイク夫人)も決して美しくない。最大のヒット曲"Silver Machine"は、グラム・ロックとして紹介されることが多いのだ。