down#2

レイ・イット・オール・アウト
■When You Get Right Down To It / Barry Mann
CD時代になって積極的に過去のカタログが見直され、今まで脚光があたらなかった幻の名盤といわれるものもたやすく日本盤で手に入るようになった(すぐに廃盤になるが)。メジャーレーベル配給でありながら、存在がマイナーだった為、長らく廃盤店の「壁の花」だった多くの作品もCD化されたが、ここ10年でビックリしたベスト3は、クリス・ハーウッドの「Nice To Meet To Miss Christeen」(これはメジャー配給ではないBirthレーベルの1枚)、フルムーンの「Full Moon」(DouglasレーベルはCBS配給)、そしてCBS配給のNew Designから出たバリー・マンの「Lay It All Out」。
このアルバムの存在を知ったのはサンリオから出た「ロック名盤のすべて」というムック本(78年ごろ)で、ソングライター、バリー・マンのssw的なアルバムと紹介されてた気がする。バリー・マン=シンシア・ウェイルのコンビは60'sから現在までヒット曲を連発するおしどりソングライター・コンビで、僕の中ではキャロル・キングバート・バカラックに次ぐという順番が出来ていて、バリー・マンそのものへの興味は二の次だったのだけど。 さて71年にリリースされたこの「Lay It All Out」はスティーヴ・タイレルが設立した新レーベルで、その第1弾が本作。作曲家、マンの本格的なヴォーカリストとしてのデビュー作にあたる。バックには、アラン・シュワルツバーグ(ds)、prodも兼ねるアル・ゴーゴーニ(g)、テディー・アーウィン(g)、カーク・ハミルトン(b)らNY派のセッション・マン、解散したザ・シティの面々が参加。どれも名曲ぞろいだが、デルフォニックスがとりあげた"When You Get Right Down To It"は、ジョエル・オブライエン(ds)、チャールズ・ラーキー(b)、ダニー・クーチ(g)、キャロル・キング(p)のシティの面々が参加。キャロ・キンとメリー・クレイトンによるゴスペル風味のコーラスといい、深い味わいを感じさせるポップスの超名曲だ。
     おまけ
そのバリー・マンは00年に「Souls & Inspirations」という、全曲デュエットによるセルフ・カヴァー集をAtlanticからリリースしたが、そこで盟友キャロル・キングと共演。"You've Lost That Loving Feeling"をとりあげている。これはそれから5年後の05年のライヴ動画。キャロ・キンと共演しているもの。