time#3

Honeysuckle Dog
■Lonely Times / Chris Smither
クリス・スミサーの、かつての「Poppyというマイナーレーベルに2枚のLPを出した幻のssw」という謳い文句は現役で活動再開した今となっては、笑い話に近いのかもしれないが、90'sまで確かにそういう存在だったということを忘れずに書いておこう。73年に録音されながらPoppyの倒産でオクラ入りしていた幻の3枚目「Honeysuckle Dog」がOkra-ToneというレーベルからCDとしてリリースされたのが、04年の事。一部ウッドストック録音で、リトル・フィートからローウェル・ジョージ(g)、ビル・ペイン(kb)が参加した曲あり、おまけにジャッキー・ロマックス(おそらくは名盤「Three」録音と重なったのだろう)がb、クリス・パーカー(後にスタッフのこの人も元々はベター・デイズ出身)のds、エリック・カズのpという"Rosalie"という曲もある。"Love Me Like A Man"という一世一代の傑作をボニー・レイットに取り上げてもらったことで名前が知れた感があるスミサーだが、ボニーが「Takin' My Time」で取り上げたランディー・ニューマンの"Guilty"を取り上げているのもうれしい。こういう地味目なフォーク・ブルーズが大体交互に入っている。"Tribute To Mississippi John Hurt"(そのまんま"Creole Bill"だけど)、"Rattlesnake Preacher"なんかはそのタイプ。逆にロン・デイヴィーズの"It Ain't Easy"のカヴァーや、"Lonely Time"はエレクトリックのバックがついてて、逆のタイプ。その"Lonely Time"は、訥々と歌われる素朴な感じがたまらない。bはジャズ畑のリチャード・デイヴィスで、他にマイク・マニエリ(vb)、デイヴ・ホランド(b)が参加した曲があったりするのも、prodのマイケル・クスクーナ(現在はBlue Noteレーベル)の趣味だろう。
おまけ
ほとんど静止画像だけど、スミサーのもあるとはさすがyoutube。曲は"Lola"。