lonely#3

Head, Hands & Feet
■Little Bit Lonely / Heads Hands & Feet
ヘッズ、ハンズ&フィートという何とも奇妙な名前のこのバンドは、後にエミルー・ハリスのホット・バンドやエリック・クラプトン・バンドに加わった速弾きgtrのアルバート・リーがいたことで知られている。南部アメリカ志向が強い英国のカントリー・ロック・バンドで、米キャピトルが食指を伸ばし破格の条件で契約したという話が残っているが、USデビュー作はなんと2枚組というヴォリュームで71年にリリースされた。メンバーは後にチャス&デイヴのチャス・ホッジズ(b,banjo,fdl,vo)、60'sからソロシンガーとしてシングルを出していたトニー・コールトン(vo)、後にハッケンサックのレイ・スミス(g,vo)、後にヴィネガー・ジョーのピート・ギャヴィン(ds)、マイク・オニール(kb)、そして元ニール・クリスチャン&クルセイダーズのリー(g,vo)の6人だが、ヴァーヴからLPを1枚出した、ポエト&ワン・マン・バンドを母体としている。
コールトンの歌い上げる唱法はタイプは違うが、コリン・ブランストーンゾンビーズ)やロッド・エヴァンス(ディープ・パープル)に近いバラード向きで、ストリングスをバックにした、"Little Bit Lonely"もその好例。リーがイニシアティヴをとるカントリー・ロック・タイプのものとは少々毛色が違うけど、あまり違和感なくなじんでいる。少なくとも当時のロックシーンで"Look At The World It's Changing"のような曲を歌い上げるシンガーは少なかったのでは。一方リーの特性を生かしたものといえば、十八番ともいえる速弾きをフィーチャーした"Country Boy"に尽きる。ポエト&ワン・マン・バンド時代の同僚、パット・ドナルドソンとジェリー・ドナヒューもゲストの形で参加(この二人はフェアポートをやめたサンディー・デニーのバンド、フォザリンゲイに加わっており、なんとなく彼らの立ち位置がわかるような感じ)。