hello#2

Something / Anything
■Hello It's Me / Todd Rundgren
おそらくはトッド・ラングレンの曲では一番愛されてるものだろう(日本だけ?)。鬼気迫るようなプログレ的な演奏をこなすマルチミュージシャン、という顔以外に、ssw的というかハートウォームなメロディアスなナンバーを量産するポップスの魔法使い、という顔を持つ。僕ら(誰だ?)が愛するのはもちろん後者の方だ。この"Hello It's Me"は元々はナッズ時代のナンバーで、68年に#66まで上がるヒットだった。これを72年の傑作2枚組「Something/Anything」でリメイクしたのが、73年に#3まで上がったヴァージョン。このポップスのおもちゃ箱ともいえる2枚組は、大学時代買い付けでやってきたどこかのユニオンで買ったけど、当時Bearsvilleレーベルが軒並み廃盤で、80's半ばにRhinoがどさっと出すまで世界的に入手困難だった(一時期のAppleもそうだった)中、わりと手に入れやすかった記憶がある。とにかくごちゃ混ぜ的なアルバムで玉石混合的な味わいもあった。初めて買ったトッドのLPは、「Back To The Bars」('78)だけど、ここでは、スティーヴィー・ニックスホール&オーツリック・デリンジャーもゲストに加わって(無駄な動きだが)いる。王様のカヴァー("拝啓僕です")も秀逸。
   おまけ
日本盤「Something〜」は1枚ものになりジャケットも変えられたが、その蝶のメイクをした日本盤LPは廃盤市場かなりの人気を誇った1枚。その蝶のメイクは、この「Midnight Special」出演時のものだろう。バックはカラオケだけど、歌は口パクではない。