friend#3

ア・フールズ・パラダイス
■Lady Friends Ⅰ/ Lazarus
ベアズヴィル・レーベルは、日本での発売権は、ワーナー・パイオニアCBSソニー〜ビクター〜ポニー・キャニオン〜ビクターという感じ(最後のビクターはアーティストのみの契約かもしれない)だけど、90's半ばのポニー・キャニオン時代は、やけくそ的にどっとCD化された。それまで単体で出てなかったものを含めたボックスを初め、アメリカン・ドリーム、バターフィールドのソロ、そしてこのラザルスの2枚目も出た(もともとこの会社は、採算度外視でCD化を乱発する傾向にあって、特に契約切れ間近はその傾向強し(これは褒めてます))。きよさんのいくつかある心のバンドの一つだろうけど、きよさん絶賛の緑のジャケが印象的な1枚目よりもメロディアスになったこの2枚目「A Fool's Paradise」('73)の方が好み。最初はウッドストック系の土くさいバンドだと思ってたけど、ピーター・ヤロウとフィル・ラモーンのprodで、コーラスarrがフリー・デザインのクリス・デドリックというスタッフにピンと来るソフロ・ファンも多かろうが、音は確かにそっち系の感じもある。美しいメロディーとコーラスが印象的な泥臭さ無縁の音楽。アルバムの冒頭には"Lady Friends Ⅱ"という別曲が配してあって、混乱するがこの"Ⅰ"の方がよりメロディアス。録音はベアズヴィル・スタジオだが同スタジオで録音された最も洗練された音楽ではないかしらん。
79年にリーダーのビル・ヒューズの名前はAORシーンでちらりと聞かれるようになる。確か日本先行で、関西先行でリリースされたディック・セント・ニクラウスとヒューズのLPは、関西のウエストコースト文化、サーファー文化をわかった上でのプロモーション(エピックソニー)は、さすがという感じ。単にジャケットを海や鈴木英人のイラストにすればいいというものではない。まず知ってもらうためには仕方がない、というレコード会社のディレクターの心情、熱意は今となっては頭が下がるけど、結果ファッション、ライフスタイルの一部として消費されるためだけの音楽=AORになり下がったのは残念だ(とまた書いてしまった(^^;;)。