0682■■恋に唄えば♪('02日本)

　
監督：金子修介
主演：優香、竹中直人、玉山鉄二、古田新太、篠原ともえ、梅宮万紗子
プログラム･ピクチャーというものが消滅してしまった今の日本映画界だけど、最近の新作ラッシュ、興行成績上昇は、邦楽が売れ洋楽がさっぱり売れなくなった状況に似ていて、実はあまり歓迎できないのでは。僕の中には『「がんばってる邦画」の向こうにグレートな洋画がある』という情景があるけど、それも幻想か（とはいっても今年映画館に足を運んだのは子供の映画だけだもの）。ミュージカルがやりたかったんだそうな、金子監督は。日本を代表する職人監督でもあるけど、いわゆるその筋の人たちを集めた生真面目な大作を作るつもりではなかったろう。だから音○で有名な(失礼)優香を起用したのは冒険というか挑戦。優香という人は、僕が気になるようになってから既にグラビアを卒業してて残念なことをしたけど(^^;、ナチュラルな可愛らしさにあふれてて、これはもう優香の為のプライヴェートな映画だ。デパガと御曹司の組み合わせ、こだわり続けた手作りのテディベア、無意味なオーストラリアロケなどボロは多いし、もう一度見たいか？と聞かれると辛いけど、少なくとも幸福な気分にはなる。肝心のダンスシーン、歌のシーンは、ミュージカル好きの方々から総スカンだけど、あれはまああんなものでしょう（岡本喜八の「ああ爆弾」もそういうシーンがあるけど、誰もけちはつけない）。あくまでもミュージカル風コメディ。
竹中直人がヘンという評もあるが、あの人はああいう芸風なので、それを批判するのはおかしい。味付けが好みでないだけ。中山忍がスチュワーデスでちょっと出てるのもうれしい。どうでもいいけど最初は「優香の」というのがあたまに付いてた模様。もちろんないほうがいい。