boat#3

ニュー・アレンジメント(紙ジャケット仕様)
Boat To Sail / Jackie DeShanon
ジャッキー・デシャノンというと、60's初頭から活動を続ける女性sswで、ソングライターとしても知られている(カリフォルニアのエリー・グリーンウィッチと呼んだのは誰だったか)。最大のヒット曲は自作ではなく、バカラック作というのも面白いけど、キム・カーンズに書いた"Bette Davis Eyes"やサーチャーズの"Needles & Pins"の作者としても有名。60'sは主にImperialで、その後CapitolやAtlanticでもLPを出していたが、Columbiaから出した唯一の作品が76年の「New Arrangement」。さほど素晴らしい出来ではないのだけど、その美貌とかの"Bette Davis"のオリジナルが入ってることから、何度も日本でCD化された。いわゆるsswではあるけど、70'sに入ってから脚光を浴びたsswとは、似ているようでスタイルが違う。同じカリフォルニアといっても、76年当時の例えばAsylum・レーベルの連中よりは、派手で、ロックの要素は薄い。その辺の葛藤が、僕がイマイチこの人を好きになれない理由だと思う。マイケル・スチュワート(ジョン・スチュワートの弟)のprodで、ロン・タット(ds)、ジョン・カーン(b)、ラリー・ネクテル(kb)らスタジオミュージシャンによる匿名的な演奏をバックにしたこのアルバム、なんか引っかからない。それでももちろんいい曲はある。"Boat To Sail"は、ブライアン・ウィルソン夫妻がコーラスで参加したメロウな曲だし、ジュース・ニュートンっぽい"Let The Sailors Dance"も悪くない。ダンナのランディー・エデルマンも全面的に参加。