town#3

Voice of Eddie & The Cruisers: Tough All Over
●Small Town Girl / John Cafferty & The Beaver Brown Band
実に懐かしい1枚。80'sの音楽を好んで聞くことは少なくなったし、85年のアメリカン・ロックなんて、今の自分にはずいぶん遠い音だ。ブルース・スプリングスティーンの焼き直しというか、ティーン版のスプリングスティーンといった趣だが、85年というとスプリングスティーンが「Born In The USA」で日本でもやっと人気を得た頃。頭で考えるロックよりも体が反応する汗くさいロックが復権した頃だ。ジョン・キャファティーはロード・アイランド出身でsaxを加えた5人編成のビーヴァー・ブラウン・バンドを率いてスコッティ・ブラザーズよりデビュー。マイケル・パレが主演した映画「エディー&クルーザーズ」の音楽を担当し、そこからの"On The Dark Side"がヒット(#7)して注目された。「Tough All Over」(手持ちのキャニオンから出た日本盤LPと画像は違うが)はそのサントラに続く正式なデビュー作で、スプリングスティーン調の"Voice Of America's Son"、ポップなメロディーの"Tough All Over"、打ち込みのダンサブルな"C-I-T-Y"が、順序は違えどヒット。相当久しぶりに聞いたけど、それほどの80'sくささはなかった。やはりいいメロディーは残るって事か。極めつけはオールディーズ風の三連譜のロッカバラード、"Small Town Girl"で、prodがあのケニー・ヴァンス("Lookin' For An Echo"の)であることを思い出さずにはいられない。思えばこういうロッカバラードは昔から大好きで、その最高峰はジョン・セバスチャンの"She's Funny"だったりするのだけど、この曲も結構いいところまでいくかなあ。