friend#3

バッド・ガール・ソングス(紙ジャケット仕様)
■Me And My Friend / Tony Kosinecトニー・コジネクはカナダのsswで、おそらく本国以上に日本での評価が高い人。70'sにたった3枚(リアルタイムに紹介されたのは3枚目の「Consider The Heart」のみ)残して表舞台を去った人だが、2枚目の「Bad Girls Song」('70)のシンプルな語り口が評価され、いつしか幻の名盤となっていた。これが日本盤でLPとなったのが80年。僕をこの道に引きずり込んだ1枚だ。現在は渚十吾を名乗っているが、当時CBSソニーのディレクターだった黒田日出良が書いたライナーは、愛情があふれすぎて逆によくわからなかったものだけど、アコギを使いながら、いわゆるフォーク系のsswとはスタイルが違う。うまく説明できないけど、コジネクのこの2枚目に限っては演奏のスタイル以上に「うた」が迫ってくるのだ(もちろん対訳(中川五郎がつけていた〜後年五郎氏と話をする機会に恵まれた際、僕はすかさずコジネクの話をしたのだ)。なぜかピーター・アッシャーがprodし、セクションのラス・カンケル(ds)を起用。歌を引き立てるシンプルな演奏が素晴らしい。"Me And My Friend"は、アルバムのハイライトともいえる曲で、次々と友人の名前が出てきて、非常に個人的な映画を見てるようなイメージがわくのは、27年前に初めて聞いたときと全く変わらない。