eyes#2

French Kiss
■Ebony Eyes / Bob Welch
ボブ・ウエルチというと、彼が脱退してからフリートウッド・マックがブレイクしたので、悲劇の人みたいに言われてたことがあったけど、ウエルチが在籍した頃のマックは、それほどヒットを飛ばしたわけではなかったけど、認知度もそこそこあったし、何よりもスティーヴィー・ニックスとリンジー・バッキンガム参加後のブレイクをドラマティックにする為の、プレスのレトリックだった気もする。もっともブルーズロック時代の看板だったピーター・グリーンを失った後、ゆるやかにアメリカナイズされた音楽に方向転換させたやり方は、大多数の英国ロックファンには、なんだか煮え切らない(1枚ずつ追うたびに米国的になってゆく)と思ったに違いない。それでもあくまでも英国人のフィルターを通したいわゆる「イギリスのアメリカ」になってたのだけど。77年にソロになってCapitolからリリースされた「French Kiss」は、全編メロディアスなポップ・ロックで、ソフト&メロウ(死語)に沸くあの時代にぴたりとあったのだけど、明らかなオーヴァー・ストリングスで、マック脱退後結成したシャープなハードロック、パリスでの活動がまるで無かったことの様に感じる。ヒットした"Ebony Eyes"も、ストリングスによって曲の魅力は2割減といったところか。脱退はしていても元マックのメンバーとは交流があり、↓の動画(78年のCalifornia Jam2)では、スティーヴィー・ニックスとミック・フリートウッドが参加している。
   おまけ

後にLP化もされたが、CBS系のアーティスト中心で、契約の関係でか、唯一漏れてしまったのがこのウエルチ。トップバッターで登場したので、"Wake Up!"のコールがある。