ウィングス

London Town
■London Town /Wings
78年に出たウィングスの7作目。これは当時友人から譲り受けた記憶がある。"With A Little Luck"が#1になってその印象が強いけど、前作が大ヒットしたライヴ盤で、一区切りつけ原点回帰的な音、英国的な香りがする。レコーディング(ヴァージン諸島)途中でジョー・イングリッシュ(ds)とジミー・マックロウ(g)が脱退した為、ジャケットにはポールとリンダ、デニー・レインしか映っていない。タイトル曲"London Town"はゆったりとした曲調で、「ロンドンタウンの汚れた地面に銀色の雨が降り注ぐ」という一節が印象的。切れ味鋭いgはマックロウだろう。シンプルな"I'm Carrying"は、77年に出した大ヒット"Mull Of Kintyre"を思わせる、スコットランド色濃いフォーク・チューン。"Cuff Link"はシンセを使った実験的なインストで、78年という時代柄ニュー・ウェイヴに呼応したのかも。リンダが妊娠中だったこともあって子供をテーマにした、"Children Children","Deliver Your Children"といった曲もある(後者も英国的なフォーク・チューン)。ファルセットで歌われる"Girlfriend"もいいメロディーだ。ロックンロールっぽいのは、"Name And Address"と"I've Had Enough"くらい。
14曲も収録されていて、1曲1曲の時間が短いのも、創作活動が活発なことの裏返しっぽいけど、曲の出来不出来にばらつきあり。