曲目発表

第17回セレクト合戦、テーマは「明るい系〜気分が明るくなる12曲」ですが、最初考えたのはバブルガムっぽいものをずらりと並べるやり方でエディソン・ライトハウスで始まってノーランズで終わるパターン、けど疲れるので却下。やはりいつものごちゃまぜ路線に変えました。
1 Crazy Annie / Evie Sands
Any Way That You Want Me
イントロからしてダークな感じでどこが明るい系なのかしら?という感じですが、お許しを。サイケ風なサウンドプロダクションは時代柄。自転車のジャケットはもろA&M風ですけど。イーヴィー・サンズはチップ・テイラー作の"Any Way That You Want Me"のオリジネーターであるソウルフルな女性シンガーで、これは69年のデビュー作「Any Way That You Want Me」から。チップ・テイラーとアル・ゴーゴーニが映画「真夜中のカーボーイ」(悔しいけどこういう表記なのですよ!)にインスパイアされて書いた曲とか。アニーとは主人公ジョー・ボイド(アンジェリーナ・ジョリーの娘でチップの弟)の恋人役で主人公のトラウマになってたキャラクターでした。
65年のデビューシングル"Take Me For A Little While"の貴重な動画

2 Fooled Around And Fell In Love / Elvin Bishop
Struttin' My Stuff
エルヴィン・ビショップは、ポール・バターフィールド・ブルーズ・バンドのgtrだった人だけど、ソロになってからは徐々にサザンロック的な音を聞かせるようになった(レーベルがキャプリコーンだったこともある)けど、専属voにミッキー・トーマス(後にジェファーソン・スターシップ)を加えてからはこういうメロディアスなナンバーも増えてきた。邦題は"愛に狂って"。75年の「Struttin' My Stuff」から。トーマスのハイ・トーンのvoが素晴らしい。この曲のメロディーに救われたこと多々あり。まさに個人的な「明るくなれる曲」でした。

3 ヘンな女の子 / ヒッピー・ヒッピー・シェイクス

またまたミント・サウンドのネオGS・コンピ「Attack Of Mashroom People」から(ちなみにこのタイトルは東宝のカルトな特撮映画「マタンゴ」の英題で、マッシュルーム・カットと引っ掛けてる)ヒッピー・ヒッピー・シェイクス。後に日本コロムビアからメジャー・デビューしたけど、ピチカート・ファイヴの小西&高浪がprodに絡んでたような記憶。ライヴはサミー中野(vo)を中心としたダンサブルな感じでした。

4 Give It Some Emotion / Tracie

ポール・ウエラーが設立したリスポンド(Respond)は結局のところ、スタイル・カウンシルがここに所属していないということもあって、クエスチョンズとトレイシーを出しただけで短命に終わってしまった。末期ジャムのレコーディングにも参加していたトレイシー・ヤングはリスポンドのオーディションでベティ・ハリスの"Shula Shula"を歌って合格したと言うエピソードがあるように60'sソウルっぽい音が求められていた80's初めの英国のシーンと呼応、"The House That Jack Built"に続く2枚目のシングル、この"Give It Some Emotions"もイギリスでヒット。当時リアルタイムでこういう音を追っていた僕は当然12"を購入していたのでした。
リスポンド祭り(^^)初期のスタカン、クエスチョンズ、トレイシーの共演。これってアイズレー・ブラザーズのカヴァーでしたっけ?<フラマンさん

5 Such A Long Long Time / Kangaroo
Kangaroo
近年CD化されて話題となっていた女性シンガー、バーバラ・キースのプロとしての初キャリアでMGMから68年にリリースされた4人組カンガルーの唯一のLPから。dsは後にハングリー・チャックのND・スマート、bは後のオーリーンズのジョン・ホール。もっとホワイトブルーズな音を想像していたら、意外とポップサイケな世界でした。el-sitarも聞こえます。

6 Life Is A Rock(But Radio Rolled Me) / Reunion
トレイシー・ウルマンがデビュー作でカヴァーしていたバブルガムの珍作。歌詞はロックにかかわる単語の超早口な連呼で、何度も聞くと面白い。オハイオ・エクスプレスのジョーイ・レヴィン(vo)をフィーチャーしたスタジオ・グループ。74年の#8。何を歌ってるのか判らない人は動画を見てね。

7 Tide Is High / Blondie
Autoamerican
もしMTV時代に間に合ったなら、ブロンディーの成功はまったく別のものになってたでしょうねえ。野心作「Autoamerican」('80)はいろんなタイプの曲が入って、アメリカをテーマにしていますが、最近別の人がカヴァーしたヴァージョンがCMに使われてたこのスカ曲は見事#1に輝いたもの。なごみます。
往年のクリップを発見。

8 Sentimental Lady / Bob Welch
French Kiss
フリートウッド・マックのボブ・ウエルチの77年のヒット。元々はマック時代の「Bere Trees」に入ってたナンバーで、ソフト&メロウ(死語)全盛の77年らしい音作り。イントロは昔から大好きでした。コーラスでクリスティン・マクヴィーが参加しています。マックが本格的にブレイクしたのは、ウエルチが脱退後ですが、元メンバーとの交流は続き、78年のカリフォルニア・ジャム2に、参加した際にはスティーヴィー・ニックスも加わって華を添えて(というか視線を攫ってしまって)ます。↓参照

9 Staring At The Sky / Poco
Last Roundup
リッチー・フューレイはいないけど、実は4人編成時代(熱心なファンの間ではfab4時代と呼ばれている)のポコは大好きです。これは77年に予定されながらオクラ入りしていたライヴ「The Last Roundup」('04)より。voはティモシー・シュミットで、ラスティー・ヤングの弾くmandがなんとも爽やかな感じです。

10 Guitars,Guitars,Guitars / Al Casey with K-C-Ettes
GIRLS WITH GUITAR
「Girls With Guitars」('04)という60'sのギターが入ったガール・グループのコンピCDより。買う前はガレージっぽいのかなあ、と思ってたけど実はそういうロックっぽいのは少なく、なんとなくショウビズっぽくて残念だった。この曲は、ブロッサムズのダーレン・ラヴが参加してるもので、gを弾いてるアル・ケイシーという人はなんでもg教室の先生らしい。リリースされた63年当時すでにラヴは、スペクター関連のセッションでも引っ張りだこだったようで、クリスタルズ、ボブ・B・ソックス&ブルージーンズなどで影武者を演じていました。

11 Pop / ホフ・ディラン
Washington,C.D.
初めて見たとき誤植かと思ったホフ・ディランだけど、ヒックスヴィルやサニー・デイ・サービスらパッケージで学祭を回ってたメジャーデビュー前が懐かしい。ユーヒとワタナベイビーの硬軟の個性の違いがこのデュオの魅力だった。「多摩川レコード」(今回めんちかつさんがセレクト)もいいけどよく聞いたのは「ワシントン・CD」の方でした。

12 Most Of All / Connie Stevens
コニー・スティーヴンスは60's初めのアメリカのアイドルシンガーで、TVシリーズ「ハワイアン・アイ」のクリケット役で日本でも人気だったらしい。このふわふわした感じの曲は、何故かベスト盤にははいっていないようだけど、長門芳郎さん監修のガールもののコンピ「Pixie Girls」('90)に収録された66年のシングル。

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