60年代ロック・アルバム・ベスト100
「レココレ」5月号は、60'sのロックのアルバムを100枚ランク付けるという企画。よくある規格だけど、シングル中心だった時期のほうが長い60年代('60〜'69)をアルバムという切り口でやってゆくのは、やはり乱暴だ。25名のライターに25枚選んでもらったものからのセレクトというが、僕も真似てやってみた。まずはレココレの選んだ25枚。
1:Pet Sounds 2:Highway 61 Revisited 3:Music From Big Pink
4:Let It Bleed 5:In The Court Of Crimson King 6:Led Zeppelin
7:Sgt Pepper's〜 8:Revolver 9:Beggar's Banquet 10:Electric Lady Land
11:Blonde On Blonde 12:Velvet Underground & Nico
13:Are You Experienced? 14:Rubber Soul 15:My Generation
16:Freak Out 17:Trout Mask Replica 18:The Piper At The Gates Of Dawn
19:Crosby,Stills & Nash 20:Buffalo Springfield Again 21:The Band
22:The Beatles 23:Disraeli Gears 24:The Doors
25:Big Bros.& Holding Co.
で、僕が選んだ25枚。リリース順。
1:The Kinks ('64)
ブリティッシュ・ビートものではキンクスのファーストも。一気に聞かせるトワングなgが痛快。70'sはパイ音源は入手が難しかったけど、80'sに入って、SMS→テイチク→ビクター→BMGと楽に聞けるようになった。
2:Presenting The Fabulous Ronettes Featuring Veronica ('65)
ちゃんとした形では未CD化。アブコから出たベストCDでは聞けない曲もあり。ロネッツが残した唯一のオリジナル・アルバム。至福の1枚。手持ちは怪しげなブートCD。
3:Beach Boys Today
アンチ「Pet Sounds」派としては、「Sunflower」を入れたかったけど、あれは70年リリースなので、能天気な9枚目を。次の「Summer Days」と共に長年の愛聴盤。
4:Paul Butterfield Blues Band
「East West」は長尺のタイトル曲の分マイナス。ホワイト・ブルーズというよりはブルーズ・ロックなデビュー作。きっかけはピーター・バラカン氏の放送で紹介された"Born In Chicago"より。名曲"Blues With A Feeling"でのパターフィールドのharpは凄い。
5:Highway 61 Revisted / Bob Dylan
6:Buffalo Springfield ('66)
有名な2枚目よりもシンプルな1枚目が好き。初回にのみ入っていた"Bebby Don't Scold Me"はボックスで聴けるようになったがここに入れると浮くかも。なんといってもスティルスの歌が魅力。
7:The Yardbirds
僕にとってヤードバーズといえばこれ。いろんな時期でいろんな邦題がついてたけど(「サイケデリックのエース」から「ロジャー・ジ・エンジニア」まで)、しっくり来るのが「ジェフ・ベック&ヤードバーズ」。キース・レルフの白いブルーズとジェフ・ベックのgの絡みがビートバンド!
8:Mr.Fantasy / Traffic ('67)
oceanさんのブログでは2枚目が取り上げられて「さっさとサイケをやっつけて」とあるけど、そのやっつけられたサイケがこの1枚目で充満。思えばSgt.ペッパー症候群ともいえる時代の空気なんでしょうねえ、このムードのはこの後ないので。
9:Spanky & Our Gang
スパンキー&アワー・ギャングの1枚目。このグループもシングル主体なのであえてファースト、というほどもないけど、ソフトロックを代表する名曲ぞろいのもの。元々ジャズ系のコーラスをやってた連中なので、テクニックは十分。
10:Now That Everything's Been Said /The City ('68)
これが日本先行でCD化されたときはビックリ。おまけにジャケットがカラーだったことにもビックリ。大枚はたいて買ったLPはモノクロで、実はブーとまがいのものだと知ったこともがっかりだった。まるでデモ・テープのような音だけど、瑞々しいキャロル・キングの魅力満載。「つづれおり」以上だ、とは言えないけど・・・
11:With A Little Help From My Friends / Joe Cocker
若きスーパースター軍団(ジミー・ペイジ、スティーヴ・ウィンウッド、マシュー・フィッシャー、ヘンリー・マックロウ、BJ・ウィルソン、トミー・アイアーetc)がバックを務めたコッカーの1枚目。ディラン曲の解釈が、後続のブルー・アイド・ソウル系に与えた影響大きい。
12:Music From Big Pink / The Band
昔から2枚目よりもこの1枚目。敬虔な"Tears Of Rage"から始まる曲の数々は、なんて老成してるのだろう。
13:Sailor / Steve Miller Band
きっとみんな忘れているけど、スティーヴ・ミラーって過小評価の代表選手な気がする。ボズ・スキャッグスやベン・シドランを配した初期の代表作。グリン・ジョンズのprod。
14:The Fifth Avenue Band ('69)
忘れていた1枚。60's末のNYの息吹を感じる1枚。休日の昼下がりにぴったりのナンバーが凝縮されている。ピーター・ゴールウェイもジョン・リンドも素晴らしいソングライターだ。
15:Gilded Palace Of Sin / The Flying Burrito Brothers
カントリー・ロックの第一歩がバーズの「ロデオの恋人」なら、それを更に進めたのがブリトウズの1枚目。今ではそうでもないけど、当時としては十分プログレッシヴな音だろう。グラム・パーソンズの歌声も魅力。
16:Everybody Knows This Is Nowhere / Neil Young With Crazy Horse
ニール・ヤングの初期を代表する1枚。後のグランジな路線をかすかに予感させる"Down By The River"と"Cowgirl In The Sand"を収録。クレイジー・ホースの実質デビュー作。
17:Joy Of A Toy / Kevin Ayers
前衛性と大衆性は実は裏表ではないのか?と感じさせるケヴィン・エアーズの1枚目。ソフト・マシーンの1枚目で見せた奇妙なユーモア感覚がここで開花。プログレ系の人という印象が、門外漢にはあるけど、実はサイケの人。後にはsswな人になる。
18:Unhalfbricking / Fairport Convention
トラッド苦手な僕にとって、多くの人が選んでる4枚目よりもカヴァーが多いこの3枚目を。英国的情緒あふれる表ジャケットもいいけど、シンプルな裏ジャケもいい。ディラン曲が素晴らしい。サンディー・デニーの歌声もしみる。
19:Pickin' Up The Pieces / Poco
円熟という言葉とは無縁の、がむしゃらさが魅力の1枚目。とにかく元気が一番という感じで突っ走る。個人的にはしっとりとしたエピック後期が好きなんだけど、ジム・メッシーナ(g)のいた頃ならこの1枚目か。
20:Harpers Bizarre 4
超絶的なテクニックを持つコーラスグループの最終作は、ワーナー=バーバンクのプロダクションによるソフトロックの傑作。これほど白いオーティスのカヴァーは知らない。
21:Volunteers / Jefferson Airplane
政治的なメッセージ性
22:Crosby,Stills & Nash
23:The Ballad Of Easy Rider / The Byrds
24:In The Court Of Crimson King / King Crimson
25:Let It Bleed / The Rolling Stones