people#3

スティル Stillution
■The Night People / Pete Sinfield
キング・クリムゾンの作詞家として知られたピート・シンフィールドは初期クリムゾンの世界観を担ってた人で、72年の「Islands」を最後に脱退。73年にELPマンティコア・レーベルから出したソロ「Still」は何を隠そう、初めて買った中古LPで、まだまだアンダーグラウンドなムード漂う今池のピーカン・ファッジで78年に購入。ドラゴンの口の中からこちら見ている少女のジャケットはまさしく「ファンタシー」をイメージさせるものだった。初期クリムゾンの持っていた、時には少女趣味ともいえるセンチメンタルなイメージから、ディラン調、カントリー・ロック風(当然BJコールがsteelを弾く)まで多彩な曲が収められている。当然ながら歌はあまりうまくないが、ハード・ミートのスティーヴ・ドーラン(b)、フィル・ジャンプ(kb)、リチャード・ブラントン(g)、ミン(ds)を中心に新旧クリムゾンのメンバーがゲストで加わっている。
"The Night People"は、ブラスロックというか、初期クリムゾンのジャズ的な面がクローズアップされた演奏で、イアン・ウォーレス(ds)、ボズ(b)、メル・コリンズ(sax)の「Islands」のラインナップが参加。このメンツは、ステージで既に気持ちの離れたロバート・フリップに挑戦するかのようにジャズ〜ブルーズ的なジャムに持ち込んだりしたラインナップだけど、ほぼ同時期にフリップと袂をわかったシンフィールドに対しては好意的だったようにも、この演奏を聴けば感じるのだ。現在手持ちにあるのはBluprintからCD化された拡大ヴァージョンの「Stillusion」の方。