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■Raining In The City / Keith Carradine
俳優としての認識の方が強いけど、キース・キャラディンと言えば、"I'm Easy"だろう。ロバート・アルトマンの映画「ナッシュヴィル」の中で、キャラディン自身が歌ったナンバーで、自作曲。76年にアサイラムから出たデビュー盤「I'm Easy」はデイヴ・グルーシン(kb)がprodし、リー・リトナー、ディーン・パークス(g)、アール・パーマー、ハーヴィー・メイスン(ds)らスタジオ・ミュージシャンが参加して作り上げられた極上のヴォーカル・アルバム。いわゆるssw的な手触りと呼ぶには都会的過ぎるし、AORと呼ぶには抵抗がある。低めの声がなんとも魅力的で、グルーシンのkbを主体としたarrによくあっており、一言で言えばメロウなのだ。今の時代もっと評価されていい人だ。"Raining In The City"はメロウ・グルーヴと言われる音に近く、同時代の日本のニュー・ミュージック(と言う言葉もこの当時はなかったか?)に与えた影響は大きい。