■■愛のメモリー('76米)

愛のメモリー デラックス版 [DVD]
監督:ブライアン・デ・パルマ
主演:クリフ・ロバートソン、ジュニヴィエーヴ・ビジョルドジョン・リスゴー
今でこそデ・パルマはエンターテイメント(エンタメという略語はキライ、同様にコラボというのもヤだなあ)系の大作も撮らせてもらえるようになったけど、この頃のデ・パルマといえば、ヘンタイじみたヤバさがあった。特に初期作品「悪魔のシスター」、「ファントム・オブ・パラダイス」、「愛のメモリー」あたりまでは、胡散臭さとあえて支持されるカルトな感じが混在している。安易な邦題が台無しにしているが(原題はObsession〜強迫観念)、ヒッチコックの「めまい」に強く影響を受け、ヒッチご用達のバーナード・ハーマンの音楽、ヴィルモス・ジグモントのカメラ、ポール・シュレイダーの脚本とクセのある人たちを集めて撮られたゴシック風のサスペンス・ロマン。すべてはビジョルドが童顔だったから出来た離れ業だけど、よく考えると相当無理がある上、大林宣彦を思わせる作り物感が気分を萎えさせ、なかなか集中できない。59年と76年のニュー・オーリンズを舞台としたものだけど、重きを置いてるのはローマのシーン。リスゴーは開巻から怪しさたっぷりですぐバレるが。日本公開は「キャリー」のヒット後の78年で、コロムビア作品ながら、何故かジョイ・パック系で公開された。
Obsession、Columbia、1h37