double#2

Stampede
■Double Dealin' Four Flusher / The Doobie Brothers
ティーリー・ダンからジェフ・バクスター(g)を加え、6人組となった75年のドゥービーズは、トム・ジョンストンがイニシアティヴをとった時期では、一番ゴージャスな頃。「Stampede」は一時期こればかり聞いてたことがあったけど、野生的な、汗と埃と草いきれの匂いにまみれたこの時期のドゥービーズはやはりたまらない。バクスターがたまに弾くsteelがいいアクセントになっていて、(家族の為に)真っ当に働く(そして酒を飲んで騒いで寝る)ことの楽しさを歌った"Texas Lullabye"のような夕暮れ時が似合うバラードにも映える。またライ・クーダーが生スライドを弾く、"Rainy Day Crossroad Blues"では、モノトーンの世界から、太陽が射したような暖かさを感じさせる。steel-guitaristとしてあまり気にしていなかったけど改めて自分の色を持ってると確認。実際バクスターの参加でトリプルgとなったわけだが、豪快なジョンストン、フォーキーなシモンズに対して、バクスターはメカニカルな印象を受ける。それは"Rainy〜"での後半のsteelとあわせての硬いトーンのソロ、その前曲アコギの小品"Precis"など、テクニカルで譜面に忠実なイメージ。ラストに収められた"Double Dealin' Four Flausher"はパット・シモンズの作品ながら、"Neal's Fandango"や"I Cheat Hangman"に隠れて目立たない。畳み掛けるようなdsで始まるシンプルなブギで、ビル・ペインのホンキー・トンクなpianoを大きくフィーチャーしてる。途中までこの曲を支配するのは、ジョンストンのバイクの排気音みたいなgであり、シモンズのvoなんだけど、途中ペインがel-pに代え、バクスターのsteelを隠し味にしたジャズっぽいソロを取ると雰囲気は一変。まるでマイケル・マクドナルドがイニシアティヴをとる2年後の世界を垣間見せる、占い師の水晶玉のような曲だ。

"You're Made That Way"は、マクドナルド時代の曲だけど、ヘッドフォンして我が道を行く場kスターの姿が面白い。