it's#3


■It's My Party / Dave Stewart & Barbara Gaskin
この曲を初めて耳にしたのはNHK-FM日曜6時の「リクエスト・コーナー」だった。ビルボードのトップ40のニューエントリーを中心に、地道にピックアップする伝説的なポップス愛好家向きの番組だった(石田豊さんの落ち着いたトーンのDJも印象的だった)。たまにやる全英特集で81年の#1として紹介された"It's My Party"は、確かレスリー・ゴーアのカヴァーと紹介されただけで、元ハットフォールド&ザ・ノースのkbとコーラスが組んだデュオとは、紹介されなかった。僕がその事に気づいたのもずいぶん後。いわゆるカンタベリー・サークルの連中は、いまでこそこうやって再評価されているが、70's後半には日本ではLPも出る事はなく、シーンもニュー・ウェイヴとレゲエばかりで、メンバーの多くは自主レーベルを立ち上げる状態だった。カンタベリーのスーパーグループとして名高いナショナル・ヘルスもLPを出してくれるところがなく、ファーストが出たのが78年だった。その後もう1枚Charlyから出して解散。デイヴ・スチュワート(kb)は、ビル・ブラフォードの新バンドブラフォードに参加するが1枚で脱退。コリン・ブランストーンをvoにした趣味的なシングルが81年にヒットしたことから、旧知のバーバラ・ガスキン(元スパイロジャイラ)をvoにしたテクノ系ユニットを結成。81年の#1となったのがデビュー曲の"It's My Party"なわけ。
リリースはStiff傘下の自身のレーベルBrokenだが、テクノと言っても持ち前のねじれたユーモアが混在した奇妙なもの。はっきり言って#1とは信じがたい。このヒット後同様の趣向で、カヴァー曲をリリースしている。日本では80's後半になって急に注目されたが、非プログレジャズロック的な音なので、ファンが期待するものと微妙なずれがあった。久々に聞きなおしても感想はあまり変わらない。クリップでは60's風メイクが逆にイタい。ガスキンはもっとキュートな人なのに。
♪happen to you のところユーウウッって上がるあたりがキュート。エンディングでヘルスの"Tenemos Roads"のsynのフレーズがちらりと出てくる。

ブラフォード時代のデイヴ・スチュワートはこれ。"Sahara Of Snow" gはアラン・ホールズワ−ス。

更に遡る5年前のハットフィールズのステージ。こちらの方が僕としてはなじみある。デイヴは同じようなボーダーのシャツ!