music#3

アズ・ユー・ウィル(紙ジャケット仕様)
■She's My Music / Lambert & Nuttycombe
フォーキーな音楽を好むファンの間では絶大な人気を誇るランバート&ナッティカムだが、僕はなんかなじめないんだなあ。デニス・ランバート(ブライアン・ポッターと組むソングライターとは別人)とクレイグ・ナッティカムのデュオは、A&Mから70年にデビュー。その「At Home」は悪いことを書いてる人を探すのに苦労するくらい、聞いた人には好まれている作品。僕も遠い昔聞いたことあったけど、はっきりいって覚えてない。73年に20 Centuryに移って出したのが「As You Will」。シンプルな前作と比べるとバンド・サウンドになっている。ワディ・ワクテル(g)、ジョー・ラマーノ(b)、ホッピー・ホッジズ(ds)、ペギー・サンドヴィグ(kb)にゲストと言う布陣。ゆるやかなカリフォルニア・ロックで、ホルヘ・カルデロンリンジー・バッキンガムの参加もなんとなく伺える。でもカリフォルニア出身でありながら、装飾を取ると彼らの音楽はイースト・コーストっぽい印象を受けるのもおもしろい。
"She's My Music"はゆるいsteel(だれが弾いてるんだろう)の入ったカントリー・ロック。バッキンガム・ニックス(ホッジズやワディも参加していた)を思わせるナンバーだ。元ジェイムズ・ギャングのドミニク・トロイアーノがアコギソロを取る(と渚十吾のライナーにある)"Oh My Darling"、ワディのスライドがブルージーな"Nickle Dime"もいい。
基本線はフォーキーなものだが、キース・オルセン(彼もバッキンガム・ニックスをprod)のprodによって、作りの部分が多く、過剰なarrの"Waikiki"、"Hollywood Baby"などちょっと場違いな感じ。この後デュオは別れ別れとなり、ナッティカムはソロで活動、ランバートは98年に自殺している。