08015 For The Girls Who Grow Plump In The Night:Caravan

For Girls Who Grow Plump in the Night
73年のキャラヴァンの5枚目。何度となくキングより再発された盤を見てる僕なんかには、キャラヴァンと言うとこのLPを真っ先に思い出す。デイヴ・シンクレアが復帰してはいるが、「Grey & Pink」の頃と比べるとジェフリー・リチャードソン(viola)というリード奏者がいるおかげで、シンクレアの影はやや薄い。リチャードソン同様新加入のジョン・G・ペリー(b)は地味ながらいい仕事をしている。
"Memory Lain Hugh 〜 Headloss"の力強い演奏は、それまでのキャラヴァンには見られなかったものだ。ポップな"Surprise Surprise"も意外。タイトルからしクトゥルー神話を扱った、"C'thlu Thlu"は奇妙なナンバー。個人的には"L'Auberge"に始まるメドレーがやはり耳に残る。ここでのダイナミックなオーケストレーションは、そういった音楽が苦手な僕もうならせる(途中ソフト・マシーンの"Backwards"が挿入される)。ボーナストラックは5曲だが、短期間在籍したデレク・オースティン(kb)、スチュワート・エヴァンス(b)の録音となる"Derek's Long Thing"がいい。
原盤/Deram:SKLR12